カーレド
「燃えろ、燃えろ!燃えろ!!燃えろ
!!!」
カーレドは発狂を続けた。
彼は孤独魔女。
孤独魔女達が集まった集団。
ウィークと呼ばれた。
ウィーク達は王国から遠い村や町を襲った。
ウィーク達は魔女よりも恐れ、不安であった。
「カーレド様、村民は全て殺しました」
「宜しい。実に素早い行動。某達の姿をルシファーもご覧になっていることでしょう」
「よし、魔女狩りに行くぞ!!」
ギース達は張り切って王国を出た。
パイモンとブエルのいる山とカーレドが魔女乱を起こした方角だった。
山の中腹辺りに着いた。
「ここで休憩にするか」
とある洞穴で一晩を過ごすことにした。
「ギース…?」
パイモンは洞穴の穴付近にいた。
「アザリア、どうしてここに?」
「我も偶然ここを通り、そしたら汝達の声が聞こえたからな」
ギースはアザリアを部下達に紹介した。
「これから、魔女狩りに行く。ついて来るか?」
パイモンは目を丸くした。
まさか、自分達を殺すのか?
パイモンはそう思った。
「ここから近い村が孤独魔女にやられた」
パイモンは自分達のところに来ないように孤独魔女に視点をおかせた。
皆、納得してくれた。
「魔女狩りだ!」
-
パイモンはギースの後ろに乗せてもらった。
そして、パイモンはある事に気付いた。
「森にしては…静かすぎる…」
そう言い終わった途端、森が騒がしくなった。
「魔女…!?」
「そうです。某の名はカーレド。ルシファーを愛し愛された男」
カーレドはそう名乗ると、パイモンに気付いた。
「おやおや、貴女は魔女ではありませんか」
騎士達は驚いた。
「アザリ…」
パイモンはギースの言葉を遮り
「それがどうするという?例え我が魔女であろうともなかろうとも汝らに勝つことは楽であろう」
「何を言う!この愚劣で間抜けな魔女め!」
「ギース、我を置いて帰れ」
「女性一人置いていけない」
ギースは必死にパイモンを止めた。
しかし、パイモンには届かなかった。
いや、届くはずが無い。
パイモンは魔女。
カーレドの言うことは正しい。
魔女だと気づかれる前に、犠牲を一人で済ませる為に…
ギース達は急いで帰った。
「魔女よ、何故隠す?」
「理由などない。我が奴らを守りたいと思うから。我は魔女。陰ながら守るのも魔女の務めだ」
カーレドは鼻で笑った。
「そんな綺麗事出来るはずがない」
「出来る、やらなくてはいけない!」
パイモン自身の願い。
自分が無くなろうとも魂だけになろうとも彼を守る。
「第9の魔女 パイモン!死ねぇ!」
カーレドはを氷魔法を出した。
「笑止。そんな氷魔法で我に敵わぬ」
パイモンは得意の雷魔法を出した。
それらを互いに撃ち合った。
「はぁぁぁぁ!」
大きな爆風が起きた。
「さすが…第9の…魔女」
カーレドが倒れた。
「我は汝とは違い、常に魔術を学んでいる」
「あぁ、なんと…いう屈…辱」
カーレドは死んだ。
パイモンはほっとした。
「七つの大罪…怠惰だ。パイモン」
「…!」
一つの矢がパイモンの胸に刺さった。
紅い髪が赤く染まった。
「アザリア?」
ギースはパイモンの方を向き返した。