Shama Radius
私は昔、兄と一緒に…顔も覚えていない両親に捨てられた。
唯一覚えてる最後の言葉は…『子供は“ジャマ”』だっけな。
全く…自分勝手にも程があるよな。
たしか…そのあと、ある夫婦に拾われ…面倒を見てくれたんだよな…
もともといた娘さんも、体は弱かったが心やさしくて…
でもその後、その家族と兄がある事故で亡くなった。
しかもそれは、私の誕生日の一週間後。
それから色々あって…なにがあったのか成り行きを覚えてない。
気が付いたら…そうだ、あの人達と出会ったんだ。
「Hello♪ 私はルビー・フレイムバレット。ねえ貴方、私と一緒に来ない?」
「…先輩、いきなりすぎますよ。それ」
私は…たしか、なんとなく…
「…良いだろう。ただし、勝負で私に勝てたらだがな」
…なんてことを言った。
なんだかよく分からなかったけど、勝負することになって…
…ああ。結局負けたんだ。それで、今に至ったんだ。
こうやって思い返すと…物凄い出会いだったな。
たまに気分転換で、気に入った場所に行って、星を眺めて…
今日もまた…
…ん?
「ラナーテ、こんなとこで何やってるんだ?」
思わず声をかけた。少し疲れたような顔をしていた。
「…いや。なんでもないさ」
何度か私と視線を合わせようとするが、すぐに視線をそらす。
「…私の顔、何か付いているのか?」
「え…? い、いや。そんなことないが?」
「? 変な奴だなー」
表ではそう言っても、案外、楽しんでいる自分がいる。
何故だか私を見て顔を赤らめるあいつを、あいつとの会話を。
──本当に、ここに来てよかった。
…あれ、そういや、あの家族の姓って確か…『エスターテ』だったけ…?