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第四話 深く考えて行動しましょう

 夜。私はヴィルラントさんからもらった新しい日記帳を机の上に広げ、羽ペンをインクに浸した。


 日記をつけるのは、私が小さい頃から行っている習慣で、もはや癖だ。これを書かないと一日が終わらない気がする。

 日記だけではなく、ぐちゃぐちゃと悩んでいるときはとにかく書く。そうすると、思考を整理しやすいのだ。


 残念ながら今まで使ってきた日記帳は王城のほうの私の部屋に置きっぱなしなので、新しいものを書き始める。



『 ○月×日  魔王城滞在一日目

 

 今日は、魔王に誘拐され魔王城にやってくるという、自分でも信じられないできごとが起きた。

 でも、ここの魔族は(少なくとも今は)優しい人が多い。魔族は粗野という印象が強い私にとって、これは新たな発見といえるだろう。

 魔王が何を考えて私をここに連れてきたのか、それはまだ分からない。昔の約束などというが、魔族と会った覚えなどないのだから、口からでまかせな可能性は高いと思う。

 ならば私を連れてくることに一体どんな利益があるのだろうか。私はもしかしたら、人質なのかもしれない。私の命がかかれば(国として非常に残念なことに)、国王および王子達は、そろって私を助けるために下出に出てしまうだろう。

 私にできることとはなんなのだろうか。まずは、魔王の目的が祖国を害なすものではないかどうか、それを確かめるのが先決だ。それから、魔王と私の接点も探りたい。そしてここから脱出するための経路、もしくは協力者を探さなくては…… 』


 ここまで書いて、私はほかの人にこの文章が見られないよう、簡単な魔術をかけた。これが私に唯一使える魔術だ。覗き見防止には便利だが、かけた本人のみしか見ることができないため、脱出にはまったく役に立たない。せめて見ることができる相手を選べればよいのだが。


 まだ新しい日記の表紙を撫でながら、私はふと、思った。


「昔の日記……もし、魔王とあったことがあるとしたら、そこに書いてあるかも……」


 古い日記帳は、皆私の部屋にある。

 もし、国の家族と連絡を取ることができれば、手がかりにつながるかも……!!


 思い立ったらすぐ行動。私は自分の部屋を飛び出し、魔王の居室へと向かった。


 硬い扉を軽くノックすると、中から「はーいー?」となんとも間の抜けた返事が返ってきた。

「アリアです。まだ起きていますか、セリス」

 私が声をかけると、一瞬沈黙。その後にどたばたと慌てて扉に駆け寄ってくる音が聞こえた。

 扉が開き、驚いたような顔をしたセリスが顔を出す。

「え、アリア?どしたの?もしや夜這い!?」

「何故にそうなるんですか!!少し話したいことがあるんですけれど」


「あぁ、うん。とりあえず立ち話もなんだから、入って」


 私は部屋にあるテーブルに、魔王と向かい合うように座った。


「単刀直入にいいます。セリス、私の家族と連絡を取る方法はありませんか?」


 私の言葉に、セリスは一瞬落胆したような表情を見せた。


「……あるけど、ダメ。どうせ逃げる計画でも立てるんでしょ?」


 逃げる計画。


「…………あ」

「え」


 私は、自分自身に頭を抱えた。

 連絡が取れるならば家族に助けに来てもらうこともできるということじゃないか!!むしろそっちのためととられるのが普通じゃないか!!

 私は何で、そっちよりも魔王との出会いを確かめることを優先させようとしていたんだ!?


 私は頭を抱えたまま、口を開いた。


「昔の、日記帳を持ってきてもらおうかと思ってたんです。小さい頃のこと、書いてあるので」

「え…………」


 沈黙が、続いた。

 我ながら、言い訳にしか聞こえない。無鉄砲すぎるぞ私。

 ちらり、とセリスをのぞき見た私は、少し目を疑う。


「そっか。……うーん、手紙くらいならできなくもないと思うけどね。使い魔を用意するよ。書きあがり次第持ってきてくれれば飛ばすから」


 嬉しそう、だった。

 本当にこの人は、人質としてではなく、私が好きだというのだろうか。


「ところで、何か困ってることとかはない?僕のできることだったら何でもするけど」

「……そう、ですね……今は特には」


 そっか、とセリスは笑う。


「私、そろそろお暇しますね。お邪魔してすみませんでした」


 そう言って、私は部屋を出る。立ち去り際、セリスに呼び止められた。


「ねぇアリア、この城では、敬語は使わなくて良いよ。ここフリーダムな城だからさ」

 まぁたしかにフリーダムといえばフリーダムですが。

 私は少し考え、返事をした。


「えぇ。分かったわ、セレス」




『拝啓 お父様、お兄様、お姉様。


 まだ一日も経っていない状態ですが、お元気でしょうか。私はいたって元気です。

 魔王城の皆様は、とても優しいです。魔王は少し抜けています。お付きの双子メイドはとても愛らしいです。皆フリーダムで、つい笑みがこぼれてしまいます。

 しばらく、私はこの城で何とかやって行きたいと思っています。お父様、お兄様、そしてお姉様。どうか私のことは心配しないでください。

 ただ、一つお願い事があります。私が幼い頃に書いた日記を、こちらに送って欲しいのです。

 この手紙を持たせた使い魔に預けてくれれば、こちらに運んでくれるそうです。

 それでは、よろしくお願いします。


                        親愛なる娘、アリアより   』

だんだんぐだぐだになって来た気がする作者^p^

やはり小説を書くのは向いてないのでしょうかw

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