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無秩序1

下手な文章ですがよかったらお読みください。

  (プロローグ)

二〇一三年、二十代の男性国松武雄が九州地方のある国立病院に、最初の犠牲者として運ばれた。国松武雄は郊外のある県道沿いを歩行中に突然倒れたという事だった。

その数日後、国松は呼吸困難に陥り、血管内に多数の血栓ができて臓器が障害を起こす「DIC」という症状が出現し、全身から血液を噴き出して息を引き取った。

次の日、国松と同地域で同じような症状を発症した患者が3人、国立病院に搬送され数日後に3人共、全身から血液を噴き出し息を引き取った。

当初、政府や研究者の見解は、動物の流行性感染症がウィルスの変性により、人への感染性ウィルスへと変貌した感染症状であるとの事であった。WHOの判断もフェーズ3の感染との見解で、日本国内でウィルス封じ込めの対応するよう指示してきた。しかし、事態は思わぬ展開を見せる。

4人目の犠牲者が息を引き取って数日後、近畿圏のイントネーションで話すある男から、九州地方のある県警に一本の電話がかかった。

「俺の名前はキング。革命集団プロパガンダの代表者だ。ウィルスは俺達が飛散させている。今までのは飛沫感染性のウィルスだが遺伝子操作で空気感染性にする事も可能だ。空気感染性のウィルスを使用すれば確実にパンデミックが発生する。5人目は四国地方で決行する。」

そこで電話は切れた。警察側はどこかで情報を得た、ならず者の悪戯だろうと気にも留めていなかった。ところが数日後、キングの予告通り四国地方のある場所で、ウィルス性の感染者が全身から血液を噴き出し、息を引きとった。

その次の日、キングから警察へ二度目の電話があった。

「キングだ。警察の皆様方これで悪戯でない事を理解されたと思う。」

最初のキングからの脅迫電話の報告を受け、既に動き出していた広域警部の清原が鋭い眼つきで深い豊麗線の下の顎髭を右手で摩りながら左手で受話器を持って言った。

「あぁ理解した。お前たちは何者だ?」

「俺たちはサイエンスとバイオレンスを融合したレジスタンス、プロパガンダだ。」

「言っている意味が分からないが、そのレジスタンスが何のようだ?」

「要求は2つ、現総理山田泰二の退陣と米軍の完全撤退だ。」

清原は一度溜息をついて言った。

「一つ目は俺も賛成だが、二つ目はかなり難しいぞ。」

「・・・まだ状況を把握していないようだな。俺たちが使用したウィルスは致死率九十パーセントの飛沫性ウィルスで、まだ第2世代・第3世代へ感染することはない。しかし、我がレジスタンスのサイエンスグループは遺伝子操作で飛沫感染から空気感染性ウィルスに変化させ、更にそれを次世代へ感染させられるウィルスにすることが可能だ。つまり、犠牲者何万、いや何億人のパンデミックの始まりだ。この意味が分かるな。」

「あぁ、分かった。だが俺はたかが広域の警部だ。そんな大それた事は出来ない。」

「だったら出来る奴に頼め。一週間後また連絡する。」とそう言ってキングは電話を切ってしまった。


清原は自分達だけで片付けられる事件でないと悟り、上層部への連絡を余儀なくされた。

しかし、平和ボケした警察上層部と保身やもみ消しの得意な政治家達との話が纏まらず、上層部の解答は「事件の早期解決。」の命令と交渉人の派遣だけであった。

清原達は独自に捜査を進行する以外なかった。



     (1)

「情報量が少なすぎます。犯人の正体さえ掴めない。」とショートヘアーで眉を吊り上げた、冴えないOLのような女がパソコンの画面を見ながら言った。

清原が冴えない女が操作していたパソコンの主導権を取り上げ、女の背後から手を伸ばしキーを叩きながら言った。

「知っているか?この事件を・・救えるのは、この男しかいない・・」

モニターは十五年前のある連続殺人事件の情報を映し出していた。冴えない女が溜息をついて無精髭の男に向かって言った。

「清原警部・・この国の大事に・・・あんな古い伝説を信じるんですか?こんな男は存在しません!」

「伝説か・・・篠原警部補、君は確か二十五歳だったな。若い君は知らないだろうが、伝説と思わせたのも奴自身の情報操作なんだ。」

「情報操作?」

「そうだ。彼・・・マサオが伝説になったのは情報の収集力よりその操作力にある。」

「すいません。言っている意味が分かりませんが?・・。」

「そうだな・・・つまり、俺達の組織は情報収集のプロだ。彼はその情報を合理的に伝達する事ができるスペシャリスト。それがあの事件を解決に導いたマサオに抱いた俺の印象だ。」

篠原警部補はまた溜息をつき言った。

「そのスペシャリストがこの状況を、どうやって打破してくれるんですか?こんな顔も何者かも分からない人間が、どうにか出来るとは私には思えない。」

「そうだな・・・ここには何も書かれてないからな・・・今ではマサオの存在を知るのはこの事件にかかわった数人の刑事だけだ。君がそう言うのも無理はない。しかし、この事件はマサオの力無くしては解決できなかった。」

清原警部の真剣な眼差しに、篠原警部補は頷き、持ち前の早い切り替えで淡々と言った。

「で・・・連絡を取る方法はあるんですか?」

「手掛かりは・・・ある・・・しかし・・・彼女が動いてくれるかだ・・」

「彼女?」

「あぁ、あの事件で唯一助かった後藤凛だ。彼女は・・・・。」

篠原は清原の話の途中で「後藤凛ですね。」と言いながらキーを叩いた。

モニターが後藤凛の情報を映し出した。

篠原は「とりあえず直接あたってみます。時間がありません。話は道中で聞きます。」といかにも時間の無駄と思いますが上司の命令なので・・と言いたげな淡々とした口調で言いながら後藤凛の情報をコピーした。


清原と篠原が署を出てから数十分車中で、清原があの忌まわしい事件と後藤凛について話し始めた。




一九九三年二月、四国にある小さな町で十代の少女安達奈緒が、県の中心部にある流備蓄高校で部活を終え、隣町にある自宅に向かった。彼女は家に帰りつかなかった。翌朝父親が疾走届けを出した。警察が奈緒の家と流備蓄高校との間を捜索したところ、奈緒のマフラーが見つかった。その日の朝、奈緒の父親が関西なまりのある男からの電話を受けた。電話の主は「娘を預かっている。返してほしければ5千万円用意しろ。」と要求してきた。奈緒の声が聞きたいと父親が言うと、相手は電話を切ってしまった。

身代金が要求された為、全国の警視庁に広域捜査網が布かれた。翌日、奈緒が誘拐されてから2日後のこと、事件は早くも大きな進展を見せた。マフラーが見つかった場所から西3キロ程の場所に、奈緒の右スニーカーが見つかった。その翌日、同じ地域にある県道沿いで左スニーカーが発見された。スニーカーの近くに、地図を手書きしたクシャクシャの紙が落ちていた。地図は付近を描いたもので、それにつけられた印は、川にかかったある橋の傍を探索しろと指示しているものと思われた。橋へ行くと誰かが何かを引きずった事を示す足跡が二組見つかった。警察犬はこれらのにおいをかいで興奮したが、川を探索しても何も出てこなかった。

警察はここに遺体が捨てられていると確信して、川の周辺の探索を続けつつ、安達家にかかってきた電話を録音する為にテープレコーダーがセットされたが、誘拐犯からのメッセージはその後なかった。

それから3日後、また次の事件が起こった。流備蓄高校の隣にある女子高生が行方不明になった。今度も身代金の要求があった。前回の事件との相違点は身代金要求時に母親が被害者の声を聞く事が出来た。しかし、この声は声紋結果から録音されたテープである事が分かった。

そして、第三の事件が起こる前にマサオが警察庁のホストコンピューターにコンタクトをとってきた。犯人像の提示と潜伏場所の特定の情報提供だった。その内容は実に理にかなっていて、今思い返すと当時日本ではまだ使用されていなかったプロファイリングによるものだったのではないかと思う。

しかし、当時の警察陣のプライドは理論よりも{刑事の勘}というものが信頼されていた。{刑事の勘}はマサオの情報とは逆に、(もう四国には潜伏していない。本州へ身を隠している)という方向性のものであった。

マサオはそんな警察陣の動きを見抜いていたかのように、次の手を打ってきた。インターネットのある投稿欄に匿名で{次のターゲットは共都万高校}と投稿されていた。もちろん2重3重のホストコンピューターを踏み台にして投稿しているから誰が投稿したのか特定は不可能だった。その噂は新聞・ゴシップ誌など全てのマスメディアがこぞって取り上げ一気に広がり、共都万高校の生徒は二人登校などが義務づけられた。警察の8割の捜査人員は不本意ながら包囲網を張り市民の安全を取り締まざるを得なかった。

それから数週間事件は起こらなかった。マサオは犯人を特定する時間を稼ぐ必要があったのかもしれない。次にマサオは一本缶ジュースの空き缶を警察署に送ってきた。{すぐに空き缶についている指紋が被害者の遺留品に付着していなかったか調べてほしい。もし、あれば警察のホームページに{一致した}と掲載してほしい。追って指紋の人物の情報を提供する}というものであった。

そして、結果は付着していた。奈緒の家と流備蓄高校との間に落ちていたマフラーに付着していた。恐らく、被害者に抵抗され犯人が気づかずにそのまましていった為だろう。とにかく指紋が一致した事を、マサオの指示通りにホームページへ{一致した}とだけ記載した。

マサオからすぐに返答がきた。指紋の主は市内に住む三十歳の男性で名前は狩本英夫。マサオが最初に警察へ提供してきた情報の犯人像と一致していた。

我々警察は重要参考人として狩本をしょっぴく為に奴の現住所へ直行した。しかし、その時、次の殺人が起ころうとしていた。

被害者の名前は後藤凛。彼女は犯人に誘拐され、狩本が住むマンションの近隣の雑木林で殺害されそうになった所をマサオに助けられた。狩本は後藤凛の殺害を諦め、雑木林の中をさ迷っている所を逮捕された。

 

丁度そこで後藤凛の住むアパートへ到着した。清原は「しかし・・・プロファイリングを使ったとは言え、あれほど簡単に犯人を特定する事は不可能だ。」と呟いたあと「続きはまた話す。」と言って篠原に向かって顎をしゃくってから車を降りた。


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