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【ランキング12位達成】 累計58万6千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
第六章 海竜王リヴァイアサン

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第9話 「山頂へ」リヴァイア山、最終決戦!

リヴァイアサンそれは“山”の名を冠しながらも、生きている。

上下左右にのたうち揺れ、海を裂くその姿は、まさに動く“災厄”。


俺は毒針をピトン代わりに、硬質な鱗の隙間へとねじ込んでいく。

縄を括りつけて、何度も揺れに耐える

そして一度でも気を抜けば、落下して即死である。


特に首のあたりは地獄だった。リヴァイアサンの咆哮とともに体が波打ち、身体が空へと放り出されそうになる。

だが俺は――諦めなかった。

「……うおおおおおッッ!!」


そしてついに、俺は登頂を果たす。


リヴァイアサンの頂に、俺は立ったのだ。


「やった……やったぞ……やればできる!」


その瞬間だった。


■《タイダル・クライシス》発動3ターン目■

それは、リヴァイアサンの奥義にして必殺。

海そのものを終末へと塗り替える、終わりの波動。


――ゴゴゴゴゴ……


リヴァイアサンの背後の空間が割れた。


「……な、なんだ、あれは……!」


勇者アルベルトが見上げる先。

そこには、天と地を覆い尽くす巨大な津波が、形を成していた。


「全バフ解除……行動遅延……地形崩壊まで……!? 終わる……!」


“終焉の津波”が勇者パーティに迫る。

あと数秒ですべてが終わる。


だが、俺は目の前の“頂”を見た。


リヴァイアサンの巨大な眼球。

そこに骨はない。柔らかく、そして――無防備。


俺は叫んだ。


「ここしかねぇ!!」


グサッ!!


毒針を、目の中央へ突き刺した――!

怒りの悲鳴をあげるリヴァイアサン。激しく身をよじり、俺の体が宙を舞う。

だが俺は、ロープにすがりついた。死にたくない。ただ、勝ちたい。


道具袋を開く、俺はイカズチの杖を取り出す。


「天よ、怒れ!雷よ、我が剣となりて敵を討て――《サンダーブレイク》!!!」


ズガァァァァァァン!!!


雷鳴が落ちた。毒針を伝って、目の奥、脳へ直撃!!

肉の焼ける音と、振動。リヴァイアサンの身体がビクンと痙攣する。


「グオオオオオオアアアアアアア――ッ!!!!」

脳を焼かれる苦痛に、リヴァイアサンが絶叫した。


脳みそへの直接攻撃!これにはどんな自動の防御も効かない。

俺は、さらに撃つ。さらに、さらに、雷を落とす!


「食らえ! これが人間の知恵だッ!!」


そして


天井からロープにぶら下がっていたのは、グレイス・オマリー。

その手には爆薬、笑顔、そして覚悟。


「母ちゃんがでけぇ魚を倒すよ!」

彼女は、すべての言葉を振り払うように叫んだ。


「いっけぇええええええええ!!!スペシャル・ハード・ラブカクテル!!!!!」


爆薬を抱えて、特攻。


ドオオオオオオオオン!!!!!!!!


大爆発。

炎と水しぶきが舞い、世界が赤と青に染まった。


その中心で、グレイスは湖の中で笑っていた。


「……燃える、いい女だ……!」

仲間のひとり、バルドルが叫んだ。



「グオオオオオオアアアアアアア――ッ!!!!」

そしてリヴァイアサンは、大きな咆哮をして崩れ落ちた。


巨大な海の神が、ついに沈黙したのだ。

地鳴りが止み、潮の流れが凪いだ。


俺たちは海竜王リヴァイアサンに、勝利した。

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