第4話 海の神 ポセイドン
深海の闇を裂き、神殿の奥深く。
煌めく青い宝玉が天を映すように揺れる海底の宝物庫
そこに待っていたのは、蒼穹を震わす神、ポセイドンであった!
《ポセイドンの歌》
♪ 聖なる海にて眠る者よ……
目覚めしは潮騒の王、神なるトライデントよ…… ♪
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名前:ポセイドン(海神)
レベル:99
体力:99999
攻撃:7000
防御:2500
素早さ:999
魔力:2800
賢さ:400
運:440
固定スキル 水属性無効(水属性の攻撃によるダメージを完全に無効化する。)海の守護者(ターン開始時に自動発動。水属性の攻撃を30%アップする) 海神の加護(ポセイドンのHPが半分以下のとき、自身の物理攻撃力を大幅に上昇させる。)大海の力(自身の攻撃が全て水属性の攻撃になる(通常攻撃含む))
この世界で神話における「海の支配者」。その三叉の槍は、海の怒り・嵐・地震すら呼び起こす神具であり、古代では船乗りたちから恐れ敬われていた存在。歌や芸術に対して特別な感受性を持つという意外な個性を見せる。
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ポセイドン、その存在はまさに神話そのもの。波間より現れし巨躯の男は、青き髭をたなびかせ、手には稲妻を秘めた三叉の槍。その眼差しは、すべての命あるものを見下ろすように、冷たく、そして尊大だった。
「立ち去るがよい…… されど、財宝に手をかけし者に、我が怒りは海溝よりも深く――」
その威厳に、俺たちのパーティーの面々はたじろぐ、神と戦うのは、2回目である。前は冥府の王ハデスと戦って死ぬ一歩 手前になったのに、また戦うのかとリスクありすぎとリスクは思った。(逃げたいです。)
そのとき。
女海賊のグレイス・オマリーは、
「宝を盗らずに通る? それは死んでもムリよ」
と微笑むと、すでに宝を見定め、こっそりと姿を消していた。
一触即発。
ポセイドンの前に、ミーナ(歌姫)が進み出る。
「我が歌は、争いを鎮めるためにあるのです。どうかお聴きください……」
♬《ミーナ歌唱:海ノ調べ「サリエル・カンタータ」》
♪ あまねく水よ 静かに舞え
命を育む 父なる波よ
この歌は 贖罪の祈り
風よ、伝えて――彼の神へ…… ♪
ミーナの歌声は、深海に響き渡るオーロラのごとく。
そして歌に聞きほれたポセイドンの眉が、ふ、と和らいだ。
「……良き声だ」
「ならば、我も応えよう。我が波動を、聴くがよい……!」
♬《ポセイドン歌唱:神歌「レクイエム・オブ・タイド」》
♪ 海底より目覚めし王 怒涛を従えし我はポセイドン
三叉の槍よ 咆哮せよ この地を震わす神の律動―― ♪
舞台はまさにオペラ座。
波がリズムを打ち、海底に光のカーテンが降り注ぎ、
ポセイドンはまるで気持ちよさそうに歌い上げる、その隙に。
「よいしょっと……お宝ゲットォ〜!」
グレイス・オマリーが、金銀財宝を両手に満足げな表情で現れる。
「もういいでしょ。これで家族に財宝のお土産持って帰れるし」
と、あっさり撤退宣言。
「まじか」
俺は思いつつ、俺たちはアイコンタクト一つで脱出を決意。
「……歌、終わるまで待ってたら、日が暮れるな」
「終わらないでしょうね。絶対コンサートだよこれ」
と俺がぽつりつぶやいた。
ポセイドンはまだ気持ちよさそうに歌っていた。
「♪ 我が海に 逆らいし者に 災いあれど……あれどぉぉぉ〜〜〜〜〜!」
彼は歌い終えるまで満足できない歌う神だった。
カラオケスナックとかに、長く居るやつだ。
舞台が静かに幕を下ろす中、俺たちは次なるフロアへと歩みを進めるのだった。