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【ランキング12位達成】 累計58万6千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
第六章 海竜王リヴァイアサン

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第2話 突然の別れと新しい仲間

「わたくしの親が、突然の危篤なんですの……」

そう言い残して、黒魔術師マーリンはパーティーを離れることになった。


(……うそやろ。親、絶対生きてるやつ( ^ω^)/)

俺、リスクは即座に心の中でツッコんだ。

勇者アルベルトも

「んー、あれは明らかに嘘っぽいなぁ」と眉をひそめた。


(きっと俺が“ゼロの能力者”だって上司か、なにかに報告するためだな、魔族の手先め……!)

そう思っていたのは俺だけではなかった。だが一人だけ、純粋に信じる者がいた。


「マーリンさん……お気をつけて。きっと、また会えると信じています」

シスターマリアは真っ直ぐな瞳で微笑み、手を合わせて祈っていた。

なんて心がきれいなんだ。いや、むしろ騙されてますよ。


マーリンは薄く笑って、ふとこちらを見た。

その目が紅く光っていた。◆ ◆ ビカー


涙を浮かべながらも、不気味な笑みで。

(うわ、絶対敵フラグ……今こいつが魔族ですよ!って叫びたい!)


だが、現在の勇者アルベルトのレベルは47。今闘っても微妙に勝てなさそうなので全員が沈黙を貫いた。


「皆様……今まで本当にありがとうございました」

マーリンが去り際にそう言うと、シスターマリアは手を握った。


「必ず、またどこかでお会いしましょうね」

「……ええ。次に会う時は……ふふ、どんな立場かしらね?」


マーリンの言葉に一同、薄ら寒いものを感じながら見送った。


その後すぐ、入れ替わりに現れた新たな仲間。

彼女の名はミーナ。人魚族の新女王。職業は歌姫ディーヴァ


「わたし、リヴァイアサンを倒すまでの期間限定でお供いたします。どうぞ、よろしくお願い致します」

とても礼儀正しく、美しく、声も透き通るようだった。


「なんと……女王でありながら、旅に同行とは……!」

シスターマリアが感動したように手を合わせた。


ミーナは微笑んだ。

「わたくしの歌には、眠りを誘い、魔を払う力がありますの。お役に立てると嬉しいです」


「へぇ~。歌って戦うんだ? なんだかアイドルみたいで素敵ですね!」

勇者アルベルトがテンション高めで目をキラキラさせる。


が――その目つきが明らかにスケベだった。


「アルベルト様、目線が下品です」

シスターマリアが氷のような声でにらみつける。


「いやいや、違うって! あくまで仲間として、尊敬の念をですね……その……」


「勇者がそんなことでいいんですか? 神の罰、与えますよ」

シスターマリアが十字架を取り出した。うっすら光ってる。

(マジで一発でバチ当たるやつだ、これ……)


そしてその横には、ミーナの護衛でもある恋人・アレイスが。

黙って腕を組み、じっとアルベルトを見ている。口元は笑っているが目はまったく笑っていない。


「……そ、その……お二人、とてもお似合いですね! はは……」

アルベルトは目を泳がせていた。


こうして、黒魔術師のマーリンとの別れと、歌姫ミーナとの出会い。

旅は、思わぬ形で続いていくのだった。


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