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第1話 偽魔法使いとロックスター

新たな人魚の女王となったミーナより、かつて暴君だったセレナ女王を討伐した報酬として、リスクは人魚族の家宝「イナヅマの杖」を受け取った。


「これは我が人魚一族が代々受け継いできた雷の聖杖です……でも、村人さんは装備できませんが宜しいでしょうか?」


「まぁ……飾りにはちょうどいいしな。なによりピカッと光ってかっこいい!」


……と軽い気持ちで受け取ったが、戦闘中に道具として使うと「サンダーブレイク」が発動するというとんでもない代物だった!


挿絵(By みてみん)


【イナヅマの杖】

かつて海の雷神に選ばれた人魚の王が持っていたという雷属性の伝説級武器。

本来は高い魔力を持つ者しか装備できないが、「戦闘中に道具として使用すると雷魔法サンダーブレイクを発動できる」

という裏技のような効果を持つ。


属性:雷

使用効果:《サンダーブレイク》(道具使用時)

装備条件:魔力25以上(※村長のリスクは魔力1)


【魔法:サンダーブレイク】

敵単体に雷の魔法攻撃。

水属性の敵にはダメージ2倍。さらに1/3の確率でマヒ効果。


俺は村長にチェンジした。なぜなら大魔導士なら年をとっている方が強そうだからだ。


戦闘開始。現れたのはロブスターマン、巨大なハサミ3本を持った水属性のザリガニ戦士。


挿絵(By みてみん)


名前 ロブスターマン

体力 :1360

攻撃 : 910

防御 : 1000

素早さ:320


この世界で巨大な3本のハサミを持った水属性のザリガニ戦士。一度ハサミで挟まれると二度と離さない。


「おおっと! こいつは水属性だな……さっそくイナヅマの杖の力を、見せてやるのじゃ!」


杖を高く掲げ、魔法使いごっこを始める俺。もちろん詠唱は意味なんてない、ただのノリだ!


「天よ、怒れ! 雷よ、我が剣となりて敵を討て《サンダーブレイク》!!」


ズガァァァン!!


ロブスターマンに雷が直撃!

バチバチと音を立ててハサミが震え、バタバタと地面に倒れ込む!


「うおっ! しびれて動けなくなってる!? ……って、マジかよ!?」


そこに勇者アルベルトが滑り込む。


「ホーリィィィィスラァァァッシュ!!」

まばゆい光とともに一刀両断――


戦闘終了!


「ふっふっふ……若いの見たか? これが俺の雷の魔法の力よ」


と、魔導士ぶった口調でドヤ顔の俺。


何度か、モンスターをマヒさせて遊んでいると


「ピコンッ!」


俺のステータス画面が光り、通知が表示された。


【称号獲得】

しびれさせる者

10体以上の敵にマヒを与えた者に贈られる、魔法使いの証。


「おぉおおお!? なんか称号きた!?」

「なになに……“しびれさせる者”だと!? ダッサ! でもちょっとカッコイイ!!」


勇者アルベルトが笑う。


「君、村人なのに……なんだか一番目立ってるよね」


「将来……俺、ロックスターになれるかもしれんな」


「それ“雷”と“音楽”かけてるの? うまいこと言ったつもり?」


「もちろんだとも。ダジャレで世界を救う村人、それが俺!しびれさせる者リスクだ!」


こうして、俺の冒険は一歩ずつ、でも確実に「伝説の男」へと近づいていった。


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