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第11話 人魚の涙

深海のように静まり返った戦場――

そこに残るのは、静かに舞い落ちる光の粒。


セレナ女王が落とした一粒の涙が、

水中で煌めきながら、ゆっくりと漂っていた。


「……セレナ女王の……涙……?」


ミーナが小さな声でつぶやく。

その瞳は揺れ、震え、涙を追うように伸びていく。


アレイスが隣で静かにうなずいた。


「それは……“人魚の魂”が結晶化したもの。 想いの深さが強ければ強いほど、涙は光となって永遠に海をさまようのです。」


ミーナがその光を手に取ろうとすると、

まるで呼応するように、涙は彼女の胸元へ――吸い込まれるように入っていった。


「えっ……? あたしの中に……?」


胸の奥で、何かが温かくはじけた。

それは長年塞がれていた声の封印を、ゆっくりと解いていく。


「……あ……声が……」


「ミーナ、まさか――」


ミーナは両手を口に当てていたが、

震えるその指の隙間から、ふわりと音が漏れた。


「……あ……ああ……うた……」


「声が……出る……」


シスターマリアが手を合わせ、目を潤ませる。


「……神様……ありがとう……」


「信じられない……ミーナ、歌ってみて」


リスクが小さく声をかけた。


ミーナは深く息を吸い、静かに瞳を閉じた。

そして――


♪……ひとしずく 光が落ちて……

 闇を溶かす やさしい唄に……♪


その声は、まるで空間そのものを浄化するように響いた。

次の瞬間、ミーナの胸元から、透き通るような水の鍵が浮かび上がった。


「これは……!」


「“水の鍵”だ……」とアレイスが低くつぶやく。


「神殿を開く鍵とは、物理的なものではなく……ミーナの“歌声”そのものだったんだ。それが、真の“水の鍵”だったんだ……!」


ミーナが戸惑いながらも一歩前に出る。


「私が……“鍵”……なの?」


「そうです、ミーナ様」

アレイスが膝をつき、丁寧に頭を下げる。


「あなたこそ、“水の鍵の継承者”――アビス・ノクスへの道を開く者です」


ミーナはしばらく黙っていたが、そっと微笑み、

そして毅然とした声で言った。


「それなら……皆様を、海底神殿アビス・ノクスへお連れします」


一同がその言葉にどよめく中、リスクがポツリとつぶやいた。


「女王が……交代したってことか……」


「そういうことですね」

アレイスが頷いた。

「セレナ女王の“涙”によって、役目は終わり、新たな女王の時代が始まったのです」


挿絵(By みてみん)



セレナ女王を倒したことにより

一気にレベルが3も上がった。


勇者アルベルトの体にじんわりとした温もりが広がる。


《勇者アルベルトのレベルが上がった!》

《体力が100上がった!》

《力が52上がった!》

《防御が60上がった!》

《素早さが58上がった!》

《賢さが60上がった!》

《魔力が32上がった!》

《運が23上がった!》

《新しい魔法「イタイノナクナール」を覚えた!》


勇者が転んでも痛くなくなる魔法を覚えた。


シスターマリアの周囲にも優しい光が舞う。


《シスターマリアのレベルが上がった!》

《体力が65上がった!》

《魔力が68上がった!》

《素早さが42上がった!》

《賢さが42上がった!》


リスクの体にじんわりとした温もりが広がる。


《リスクのレベルが上がった!》

《体力が1上がった!》

《運が55上がった!》

《賢さが60がった!》

《新しいスキル「高付加価値提示」を覚えた!》


また商人のスキルです。「詳細」シスターマリアが商品の価値や使用例を提案し、相手に満足感を与えることで有利な条件を引き出すスキルだと説明をしてれた。骨とう品屋さんでも開こうかな!

戦闘には使えませーーん。


リスクは不快な気分がなくなるとマイナスのステータス効果が切れていつもの村人の姿に戻る。


―――――――――

名前:リスク(村人または、 お笑い芸人)

呪い:1歩歩くと体力が-5

レベル:43

体力:25

攻撃:0

防御:+900(アイギス・アブソリュート効果中)

素早さ:0

魔力:1

賢さ:510

運:525


※この世界で、最も弱いスライムに負けた男。


称号:必殺の仕事人 リスク

称号:ビックリさせる天才

固有スキル

・ゼロの能力者

・村を作る(現在無効)


―――――――――


「リスクさん、いつも呪われてますね」


シスターマリアが俺に聖なる魔法をかける。


「聖なる光が呪物の束縛を解き放つ――《ホーリー・リリース》!!」


清らかな光がリスクの身体を包み込み、盾が自動的に外れ、闇の呪縛が煙のように霧散した。


呪いの盾でをある破滅の盾を俺は道具入れにしまった。


俺が喜んでいるときだった。


水のゲートの前に――冷たい殺気が現れる。


音もなく立つ、白髪の暗殺者。

その背後には、あの男――


闇の司祭カザールが現れた。


そして、アルベルトの声が響く。


「リンゼル兄さん……!?」


闇の司祭カザールと双剣の暗殺者リンゼルが勇者アルベルトを睨みつけて立っていた。


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― 新着の感想 ―
リスクは元々だけど、勇者もネタスキル多いな笑
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