第10話 ゼロの法則
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名前:セレナ=ヴェル=ノア(白魔術師)
レベル:80
体力:9774
攻撃:340
防御:790
素早さ:999
魔力:3400
賢さ:999
運:180
この世界で神秘なる海王の支配者であり、究極の水属性魔法を操る人魚女王。
固有スキル 人魚 水属性無効
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ゼロの能力者のスキルを2つ発動させたリスクであったが、セレナ女王には
少しのダメージ(225)しか与えられなかった。
俺は目の前にいる巨大なセレナ女王にまさに殺されそうになっていた。
「村人にしては、わたしに身体に傷をつけるとはよくやったわ」
セレナ女王が、優雅にして冷酷な微笑みを浮かべながら、
巨大な手を振りかぶった!
俺は道具箱から破滅の盾を取り出した。
そして薬草を口の中に放り込んだ。
俺はガシャンと破滅の盾を装備。
【リスクの防御が0から−100へ低下しました】
「ぎぁああああああ……ッ!!」
「ちょっ、痛い痛い痛い!魂がえぐられるみたいな感覚なんですけどッ!!」
その瞬間――
ゼロの能力者スキル、発動!
俺の身体が銀色のオーラをまとい、全身が硬質 な光で覆われていく。
《Aegis Absoluteアイギス・アブソリュート》――絶対防御の盾
俺の顔色がゾンビみたいに青白くなるなか防御力が+900上がった。
バッシィィィィンッ!!
カキィーーーン
セレナ女王の張り手一撃は、リスクの絶対防御によってダメージ0で完全に無効化されたのだ。
「なんだと!!村人のくせに、」
そのとき――
◆ゼロの法則、発動!!!◆
金・銀・銅が交わり、俺の全身が蒼白い輝きを放つ!
《最弱》にして《最狂》
ゼロ能力者のゼロの、全ての数字を上書きするッ!
俺のステータスが狂ったように跳ね上がる!
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名前:リスク(Zeroを超越する者)
レベル:40
体力:24
攻撃: 0+995+455(運)+465(賢さ)×300(ゼロの法則発動)
防御: 0+900+455(運) +465(賢さ)×300(ゼロの法則発動)
素早さ:0+955+455(運) +465(賢さ)×300(ゼロの法則発動)
魔力:1
賢さ:455
運:465
※この世界で、最も弱いスライムに負けた男。
称号:必殺の仕事人 リスク
称号:ビックリさせる天才
固有スキル
・ゼロの法則(ゼロの能力を3つ発動すると発動する。 運と賢さががプラスされ×300攻撃・防御・素早さがアップされる。)
・村を作る(現在無効)
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「なによ!このステータス!! 頭おかしいわ」
マーリンが俺の変更されたステータスを見て驚愕の表情を浮かべた。
「……勇者に付き添いしゼロの能力者が、魔王軍に甚大なる被害と損害、破壊と混沌を生み出すであろう……」
まさか・・あの予言は・・・こいつなの・・・
「これが俺の……」
「俺だけのッ!!」
「全力だあああああああああああッッッ!!!!」
俺は、振りかぶった。攻撃力20の毒針をッ!!
セレナ女王に突き立てた!!
ズバァァァァァァァァンッ!!!
「ギャアアアアアアアアア!!!!」
女王の体が裂ける
その声は、まるで波が崩れるように、静かに消えていった。
そして、地面に倒れこむ。
セレナ女王、撃破。
勝った―!
「や、やった……!やったぞ……!」
「うそだろ……毒針で女王倒すやつ、見たことねぇよ……!」
グレイスオマリーンが目を丸くして叫ぶ。
「なにそれ、もはやギャグじゃん!どういう物理法則で勝てんの!?」
「なんか、知らんが勝ってしまった。」
俺は胸を張って、毒針を高々と掲げた。