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【一二三書房Web小説大賞の一時選考突破】 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:悪魔のコイン』

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第五話 危険な手口

カズヤとアイゼンハワードは、鈴木一郎襲撃事件の現場に立っていた。夜の街灯に照らされる路地は、血痕と散乱した物の影で不気味に揺れている。壁に残された爪痕や、近くのゴミ箱に放置された携帯電話、そして足元に散らばった小さな金属片──すべてが計算されたような配置だった。


「……これは、ただの路上強盗じゃないな。」カズヤは低くつぶやく。彼の視線は、現場に残された細かい痕跡を丹念に追う。


「プロの手口です。」アイゼンハワードは冷静に分析する。「標的の鈴木一郎に確実にダメージを与え、周囲の混乱も最小限に抑えている。逃走ルートも完璧に計算されている。」


カズヤは金属片を手に取り、顕微鏡で確認する。「武器の一部か……精密な改造が施されている。これは明らかにヒットマンの仕業だ。」


「だが……誰に雇われたかがわからない限り、全体像は掴めない。」アイゼンは肩越しに現場を見渡す。遠くに赤色灯が回る中、警察の封鎖線が設けられ、周囲は騒然としていた。


「事件の背後には、巨大な利権や権力が絡んでいる気がする。」カズヤはつぶやき、路地に残された微かな足跡を追った。「このプロのヒットマンを雇うだけの人物、もしくは組織……簡単には浮かばない。」


「……だが、この手口と精度から、個人ではなく、組織的な指示があった可能性は高い。」アイゼンは冷たい視線を路地の暗闇に向けた。「われわれが追うべきは、この黒幕の影だ。」


二人はしばし現場を観察し、残された証拠をひとつひとつ丹念に確認した。路地の静けさの中に、彼らの心拍だけが響く。


「……次の手がかりを探すしかない。」カズヤは決意を込めた声で言った。

「ええ、そしてその黒幕を見つけ出す。」アイゼンも頷く。


夜の街に漂う緊張感。事件の背後に潜む陰謀を暴くため、二人は再び足を踏み出した。



深夜のオフィス。薄暗い照明の中、アイゼンハワードの目はモニターの光に細められていた。三神建設の社長、三神浩太郎が「磁力の結界」の重要人物であることを、彼は確信していた。


静かにドアを開け、部屋に入るアイゼン。USBドライブを差し出す。


「アルおじ、何か見つかりましたか?」

「三神のパソコンから、これを手に入れた。」


カズヤはUSBを受け取り、コンピューターに挿入する。ファイルの一覧が画面に現れる。眉をひそめ、一つ一つ丹念に確認していく。


「……これは、福田の死に関連する資料だ。しかし、これだけではまだ十分ではない。三神がどう関わっているのか、その証拠が必要だ。」

「確かに。しかし、この中にはリニア新幹線プロジェクトの詳細も含まれている。福田の死は利権争いに絡んでいる可能性が高い。」


カズヤは深くため息をつき、渡辺に目を向ける。


「福田優子と織田哲夫の関係も気になる。もし彼らが恒夫を排除しようとしていたなら、動機は……?」

「財産と権力でしょう。しかし、三神建設との関連はまだ見えません。」


しばらく沈黙が続く。カズヤが決意を新たに口を開いた。


「真実を暴くには、もっと深く掘り下げる必要がある。三神建設が事件にどう関わっているのか、その糸口を見つけるんだ。」

「分かりました。それでは、次の手がかりを探しましょう。」


二人は情報をもとに、福田恒夫の死と三神建設の関係を追い始める。そして、福田の死はリニア新幹線の利権を巡る争いによるものという仮説を立てる。さらに、カズヤは福田優子と織田哲夫が密かに計画していた、恒夫を排除し財産を手に入れる陰謀を発見する。しかし、この計画は三神建設とは無関係ではないようだ。


「この利権争いが福田さんの死に関係しているとすれば、話は相当大きい。」

「ええ。でも、優子さんと織田さんの計画が三神建設とは無関係なら、一体誰が背後にいるのか……」

「それが分かれば、真相に近づけるかもしれない。しかし深入りは危険だ。本当に進むのか?」

「危険を承知で進むしかない。どんな困難も乗り越え、福田さんの死の真実を暴くんだ。」

「分かりました。それでは、『磁力の結界』の全貌を暴くため、次の手がかりを探しましょう。」


事件はさらに深まった。カズヤとアイゼンハワードは、福田恒夫の死の真相を解明し、「磁力の結界」の全貌を暴くため、より危険な道へと踏み出すのだった。

福田ふくだ 恒夫つねお(死亡)

年齢: 67歳/大富豪、HR東日本の重役。心臓病を患いペースメーカー装着。リニア新幹線成功を遺産とする理想主義者。


福田ふくだ 優子ゆうこ

年齢: 29歳/恒夫の若妻。社交的だが内面に不満を抱える。


織田おだ 哲夫てつお

年齢: 35歳/恒夫の秘書。忠実だが野心的。優子との関係に葛藤を抱える。


三神みかみ 浩太郎こうたろう

年齢: 56歳/三神建設社長。権力志向が強く冷酷。政財界に太いパイプを持つ。


鈴木すずき 一郎いちろう(重症)

年齢: 48歳/三神建設専務。冷静沈着。組織維持のためには法を曲げることも辞さない。


伊藤 ハルカ(いとう はるか)

年齢: 27歳/セキュリティシステムエンジニア。リニアのセキュリティを設計。事件の技術的鍵を握る。


高橋たかはし 遥人はると

年齢: 34歳/三神建設顧問エンジニア。冷徹で計算高い。利益独占を企む黒幕の可能性あり。


小野寺おのでら 理沙りさ

年齢: 31歳/福田家の家政顧問。知的で社交的だが秘密主義。夫婦の秘密や金銭問題を握る。

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