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第3話 監視カメラと両替機の謎

カズヤとアイゼンハワードは、サーカスランドリーの監視室に腰を下ろした。壁一面に並ぶモニターには、店内や駐車場の映像が映し出されている。


「さて、事件当夜の映像をすべてチェックしてみるか。」

カズヤが操作パネルに手を伸ばすと、アイゼンはログのプリントアウトを広げた。


「まずは、両替機周辺の動きに注目だ。あの『悪魔のコイン』が隠されていた可能性が高い。」

アイゼンが指示すると、カメラ映像が両替機の方向に切り替わる。


モニターに映る映像は、事件の夜、時系列で再生されていった。


午後11時02分――

両替機前に人影が現れる。姿は女性のようだが、顔はフードで隠されている。手には何も持っていない。ゆっくりと両替機を覗き込むその動きは、わずかにためらいがある。


午後11時05分――

黒い作業着の男が背後から近づく。監視カメラは斜め上からの映像のため、二人の動きは不鮮明だが、何かを手渡しているようにも見える。


「誰だ、あの二人は…?」カズヤが画面をズームすると、女性のフードの下からちらりと髪が見えた。春菜か…? しかし、アイゼンの顔は少し険しい。


「注意して見ろ、カズヤ。この動きは単純な出入りじゃない。」アイゼンはログを指差す。

「両替機の電子ログだ。午後11時00分から11時10分の間に、通常のコイン投入ではあり得ない異常なデータが記録されている。」


カズヤが近寄ると、画面に数回、500円硬貨サイズの異物が投入された形跡が残っている。

「つまり、この短時間に、誰かが両替機の中に何かを出し入れした可能性があるということか…」

アイゼンは目を細める。

「まさにその通りだ。しかも、ログには人が触った痕跡が残る。夜間警備員の巡回記録では、黒崎剛は異常なしと報告していたが、時間的には彼が巡回したタイミングと微妙にずれている。」


「つまり、誰かが巡回の隙を狙って動いた可能性がある…」

カズヤの口調は低く、緊張を帯びていた。


二人は再び映像を巻き戻す。フードをかぶった女性が両替機の前で立ち止まり、周囲を警戒する様子が映る。彼女の手が、機械の小さな隙間に触れる瞬間、カメラにはわずかに反射光が残る。


「これだ…この瞬間に、金貨か何かを隠したに違いない。」

アイゼンはプリントアウトを指差した。

「ログと映像が一致している。さらに不可解なのは、その後、数分間、機械の内部温度がわずかに上昇していることだ。」


「温度上昇…?機械の故障か?」

「いや、誰かが内部に手を入れて、熱を発生させた可能性もある。」

カズヤの目が鋭く光る。

「つまり、表面上は普通に見えても、裏では何かが行われていた…」


アイゼンは頷き、モニターを指でなぞる。

「黒崎剛と藤原美咲、この二人の動きが非常に怪しい。どちらも映像には映っているが、微妙にログとずれている。何かを隠している、もしくは誰かと連携して動いている可能性がある。」


二人の間に静かな緊張が走った。

「これはただの強盗事件じゃない。背後に何か大きな力が働いている…」

カズヤの言葉に、アイゼンは無言で頷く。


監視カメラ映像と両替機のログ。二つの証拠は、事件の真相に近づく鍵となるはずだった。

佐藤 浩一(45歳: サーカス企画社長) 強盗に襲われ意識不明となる。

野心的でカリスマ性があり、ビジネスセンスに優れる。


鈴木 一郎(29歳、営業担当)

社交的で話し好きだが、時に計算高い一面も。集金前に夫の動きに注意を払っていた。


浜田 梨沙(34歳、経理部長)

冷静で正確な判断力を持つが、最近の売上異常を誰にも相談せず独自に調査していた。


高橋 健介(42歳、技術部門責任者)

真面目で技術に情熱。両替機の異常動作を見つけている。


佐藤 春菜(26歳、従業員)

明るく親しみやすいが、内に秘めた悲しみを持つ。


緒方 洋一(29歳、ライバル店経営者)

社交的で話し好きだが、商売敵。


黒崎 剛(38歳、夜間警備員)

落ち着いた表情だが、目つきは鋭く常に周囲を観察している。


藤原 美咲(31歳、取引先営業)

美しい外見で社交的だが、金に対する執着が強い。

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