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【ランキング12位達成】 累計53万PV運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:なき猫』

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第4話 占い師の予言

夜の帳が下りると同時に、沖の原島は猫たちの鳴き声に包まれた。港から路地まで、どこからともなく響く「ニャア」という声。三度、同じ場所で黒猫が鳴けば、人が死ぬ。その伝承は、今や島民たちの胸を恐怖で締めつけていた。


カズヤとアイゼンハワードは、島民の紹介で勝トシエの占い部屋を訪ねた。赤い布で覆われた机の上には、古びた水晶玉と猫の骨のような護符が置かれている。


「あなた方が来るのを待っていたわ」

勝トシエは薄暗い灯りの下で微笑んだ。皺の刻まれた顔に、妙な艶やかさがあった。


アイゼンハワードは静かに問いかける。

「橋本史郎の死を予言したという噂を聞いた。黒猫の鳴き声を、あなたはどう解釈している?」


勝は、まるで芝居を打つように両手を広げる。

「黒猫は死の使者。白猫は命の守護。古くからそう決まっているのよ」


カズヤは眉をひそめた。

「でも、その伝承を“誰かが利用している”可能性は?あなたが島民を扇動しているのでは?」


勝は一瞬だけ目を細めた。その瞳には、隠しきれない野心のような光が宿っていた。

「若い子は何も知らない。島を守るのは私。猫の声は神託なのよ」


その夜、アイゼンハワードとカズヤは港近くで奇妙な現象を目撃する。黒猫が集団で鳴き始めると、少し離れた場所で白猫の姿が一瞬だけ現れるのだ。


「まるで…バランスを取っているみたいだ」

カズヤは囁いた。


アイゼンは赤い瞳を細める。

「黒猫が死を示すのなら、白猫は生の抵抗だ。二つは対立しながらも連動している。だが問題はそれを“人為的に操作できる者”がいるかどうかだ」


カズヤの脳裏に、勝トシエの笑みがよぎる。


翌日、二人は民宿経営者・木村梓から新たな証言を得た。

「実はね、勝さんが夜中に白猫を抱いて歩いているのを見たって人がいるのよ。普通の島民なら近寄れないのに、不思議よね」


カズヤは目を見開く。

「つまり、勝トシエは黒猫と白猫の両方に関わっている可能性がある…」


アイゼンは深くうなずく。

「偶然ではない。伝承の両極を操れるなら、彼女は島の死と生を支配していることになる」



その夜、勝トシエの声が広場に響いた。島民を前に彼女は予言を告げる。


「明日、この島で再び死者が出る。黒猫が三度鳴くのを、私はもう視たわ」


島民たちの顔が青ざめる中、カズヤとアイゼンは互いに視線を交わした。

果たしてその予言は本物なのか、それとも仕組まれた恐怖なのか。


白猫と黒猫の奇妙な連動。その鍵を握るのは、やはり勝トシエの行動にあった。


三神建設関係者


三神雄二:45歳、部長、自己中心的で野心的

橋本史郎:40歳、プロジェクトマネージャー、効率重視、(死亡)

加賀美良子:30歳、広報担当、社交的で説得力あり



島の住民


我聞龍二:50歳、漁師、神秘的、黒猫伝説を信じる

井上真理子:28歳、医者、白猫と黒猫伝説を研究

木村梓:32歳、民宿経営者、温かい性格

勝トシエ:63歳、占い師、黒猫伝説に詳しい

神林一郎:55歳、神主、伝統と文化を重んじる

安藤春:31歳、新聞記者、好奇心旺盛

佐々木大輝:36歳、教師、温厚だが時に厳しい

森田健一:29歳、ダイビングショップ経営者、冒険好き

沢田淳:46歳、警備員、真面目で責任感強い

藤原健太:37歳、不動産投資家、開発の利権狙い

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