第10話 魔王城再建と新しい朝
魔王城。
瓦礫の山と崩れた壁に囲まれた広間で、ダイ・マオウは大きく息を吸う。
「よし……これからが、本当の戦いだ……!」
運命の伴侶・みっちゃんと手を取り合い、魔王城の再建作業がスタートした。
「石積みは俺、木材はみっちゃん、掃除はさっちゃん!」
さっちゃんは肩にバケツをぶら下げながら、淡々と指示を飛ばす。
「人生はいつからでも変えられるのよ、魔王」
魔王は瓦礫の山をよけつつ、みっちゃんの笑顔に力をもらう。
「うおおお……嫁の笑顔、最高のモチベーション……!」
町の住民たちも応援に駆けつける。
「ご祝儀です!」
「建材費です!」
「豆腐もあります!」
ダイ・マオウは感動と混乱で目を見開く。
「なんだ、この異様な量の祝福と豆腐は……!」
みっちゃんはにっこり笑いながら、魔王に手作りの小さな豆腐セットを差し出す。
「さあ、今日も一緒に笑いましょう!」
魔王はうるっときながらも、笑いを返す。
「手作り豆腐、うめぇじゃねぇか……って、お祝いまで豆腐かい!」
■■■
結婚式の準備は順調に進み、ついに和装の結婚式当日。
みっちゃんは純白の色打掛に身を包み、ダイ・マオウは漆黒の紋付で堂々と立つ。
「さあ、ダイ・マオウよ、新しい朝だ!」
「おお……この城で、笑いと愛を守るのだな……!」
さっちゃんは控室で小さく微笑む。
「人生は、いつでもリスタートできる。ダイ・マオウもやっとそれを知ったわね」
そして、式の後、さっちゃんはこっそりと新しい生命を乳母として取り出す。
「これで次世代も任せたわよ、ダイ・マオウ」
魔王は両手でみっちゃんと赤ん坊を抱き、城の大広間を見渡す。
「義理と任侠と愛……これが魔界流の幸せか……!」
ご祝儀も集まり、豆腐もたっぷり、魔王城は新しい朝を迎える。
外では朝日が差し込み、瓦礫の隙間から小鳥がさえずる。
魔界の婚活は、笑いと涙と愛に満ちた大団円で幕を閉じた。
学びポイント(さっちゃん解説付き)
結婚はゴールではなく、新しいスタート
→ 愛と笑いを守りながら、人生を築いていくことが大切。
義理・任侠・愛は魔界でも大事
→ 他者との関係を大切にすることが幸せの基盤になる。
次世代へのバトン
→ 乳母さっちゃんによる新しい生命の誕生で、愛は次の世代に続く。
魔界婚活の物語はここで幕を閉じるが、愛と笑いの物語は永遠に続く。
おまけ
エピローグ 新しい命と乳母さっちゃん
魔王城の朝。
結婚式から数か月後、城には柔らかな日差しが差し込む。
ダイ・マオウとみっちゃんの間に、小さな命が誕生した。
「うおお……我が子よ、これが我らの血筋か……!」
しかし、魔王は慣れない育児に四苦八苦。
泣き声に振り回され、オムツ交換で頭がパンク寸前。
そんな時、さっちゃんが颯爽と登場。
「はいはい、任せなさい。魔王、あなたは仕事と愛嬌担当、私は育児担当よ」
さっちゃんは小さな赤ん坊を手に取り、優しく揺らす。
「ふふ、これからも笑いと愛でいっぱいの家族にしてみせます」
ダイ・マオウは安堵の表情でうなずく。
「さっちゃん……お前、魔界の乳母界の頂点か……!」
みっちゃんも笑顔で赤ん坊を見つめる。
「お父さんも、お母さんも、さっちゃんも……みんなで笑いながら育てましょうね」
小さな赤ん坊は、魔王の大きな手に抱かれ、さっちゃんの腕でゆらゆら揺れる。
城の広間には、笑い声と赤ちゃんの泣き声が混ざり、これまでの婚活の戦いが遠い過去のように感じられた。
魔界婚活の物語はここで幕を閉じるが、笑いと愛に満ちた日々は、これからも続いていく。
学びポイント(さっちゃん解説付き)
結婚はスタートであり、育児もチーム戦
→ 魔王も乳母さっちゃんも、一緒に学び成長することが大事。
家族の笑いが何よりの宝物
→ 豪華さや力ではなく、日常の笑いが愛を育む。
乳母さっちゃんの役割は万能
→ 愛嬌・根気・知恵で新しい世代も守る、魔界の頼れる存在。
義理と任侠と愛に満ちた婚活と家族の物語は、笑いと涙を残しつつ、未来へとつながっていく。
『さっちゃんとダイ・マオウの魔界の嫁探し 魔王城をたてなおせ!』
ー完ー




