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【ランキング12位達成】 累計52万6千PV運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『さっちゃんとダイ・マオウの魔界の嫁探し 魔王城をたてなおせ!』

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第9話 本当に必要なものは何か

魔王城の広間。


ダイ・マオウは椅子にどっかり座り、頭を抱えていた。


「ふぅ……俺の嫁探しの旅、疲れたな……豪華花嫁は爆発、家事完璧でも笑いなし、育児も教養も……俺、何を求めてたんだろう……」


さっちゃんは肩越しに冷めた目で呟く。


「魔王、わかってきたんじゃない? 結婚に必要なのは豪華さじゃなく、笑いと一緒に過ごせる時間よ」


ダイ・マオウはため息をつき、決意する。

「よし……ならば、真の嫁を探す旅に出るぞ!」


こうして魔王は、豪華さや条件ではなく、心が通じ合える相手を求め、嫁探しの旅に出発した。



■■■



旅の途中、隣町の小さな商店街に差し掛かる。


小腹が空いたダイ・マオウは、香ばしい匂いに誘われて豆腐屋の前で立ち止まった。


「おお……湯気の向こうに、何やら温かい香り……」


店先には小柄な少女が、木桶から滑らかな豆腐をすくっている。黒髪ボブ、大きな瞳がくりっとして、笑顔は人を安心させる可愛らしさ。


挿絵(By みてみん)


「いらっしゃいませ!今日も出来立て豆腐、できました~!」


ダイ・マオウは試しに一口食べる。


「ん……!?こ、これは……手作り豆腐、うめぇじゃねぇか……」


さっちゃんは魔王の肩越しに小声で毒舌。


「魔王、見てごらん。豪華さも条件もないけど、自然な笑顔と温かさがある……まさに理想よ」


ダイ・マオウが店を見渡すと、みっちゃんは豆腐をすくいながら魔王の軽いボケにツッコミを入れる。


「厚揚げにしょうが乗せたほうが、魔王さまのお顔もピリッと締まりますよ!」


「うおっ……ツッコミも味付けになるのか……!」


その瞬間、魔王は悟る。これまでの豪華な花嫁候補は、笑いも会話もなく、ただ見た目と条件だけだった。だがみっちゃんは、たわいもないやりとりに、心が温まる楽しさがある。


「くっ……俺の嫁は、豪華でなくても、笑ってくれる娘でいいんじゃ……」


みっちゃんはにっこり笑いながら、豆腐を差し出す。


「はい、魔王さま。今日の朝ごはん、豆腐セットです!」


ダイ・マオウは両手を合わせ、深々と頭を下げる。


「いただきます……そして、俺の心もいただきます……!」


湯気の立つ豆腐を口に運ぶ魔王。


「手作り豆腐、うめぇじゃねぇか……まさか、こんな近くに嫁候補がいたとは……すぐに見つかるんかい!」


さっちゃんは腕組みしつつ毒舌。


「魔王、近すぎるのも問題よ。冒険の旅に出てた意味は……まあ、美味しい豆腐で帳消しかもね」


ダイ・マオウは満面の笑みで頷き、みっちゃんもにっこり。


二人は豆腐を囲み、笑いながら和やかに話す。

豪華な花嫁も完璧すぎる条件もいらない――笑顔と温かさがあれば十分だ。


「これだ……俺が本当に求めていたのは、こういう時間だ……」


さっちゃんも思わず柔らかい表情を見せる。


「魔王にふさわしいのは、豪華さじゃなくて愛嬌と根気よ……ふふ」


こうして、ダイ・マオウは即決でみっちゃんを嫁に迎えることを決意。


「今日からお前が、俺の家の嫁であり。豆腐大臣だ!」


「はいっ!魔王さま!」


挿絵(By みてみん)


こうして、豪華さや地位に惑わされることなく、魔王は本当に大切なもの「共に笑える時間」を見つけたのだった。


学びポイント(さっちゃん解説付き)


豪華さやスペックよりも、笑い合える時間が大事

→ 笑いこそ結婚生活を支える最高のスパイス。


真の嫁は、近くにいることもある

→ 「すぐ見つかるんかい!」とツッコミたくなる距離感も婚活の醍醐味。


食事の時間は家庭の温もりを測るバロメーター

→ 豆腐ひとつでも、笑いと会話があれば心は満たされる。


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