第6話 潔癖症すぎる天使のお嬢様とのお見合い
魔王城の庭園。お見合いに現れたのは、白いドレスを身にまとった天使のお嬢様・セラフィーナ。
透き通るような白い羽、輝く金髪、女神のような微笑み。
「はじめまして、魔王さま。わたくし、あなたのような強き方とお会いできて光栄ですわ」
「ほ、ほぉ……天界の姫か。清らかで、理想の花嫁かもしれん……」
さっちゃん「(小声)魔王、油断すんな。こういう“清純派”ほど裏がヤベぇんだ」
セラフィーナが椅子に腰かける前に
セラフィーナ「待って!椅子を拭いてからじゃないと座れませんわ!」
(召喚した天使の従者がアルコールで徹底消毒)
ダイマオウ「え、えっと……清潔でいいことだよな?」
さっちゃん「すでに異常の領域だぞこれ」
テーブルにお茶が出される。
「カップを素手で持つなんてありえません!手袋を三重にしてから飲みますわ!」
「そ、そんなに!?」
さっちゃん「魔王の手はバイ菌扱いか!お前、今まで勇者よりひどい目にあってるぞ!」
食事が運ばれてくる。
「この料理、調理場でホコリが一粒でも混じってないでしょうね?!」
「ひぃっ……完璧に除去しました!」
「信じられません!魔界は不潔ですもの!」
「な、なんだと!?魔界のカレーは世界一清潔――」
「却下です!カレーは汁が飛ぶから最低です!」
さっちゃん「はい出た!潔癖症最大の敵=汚れるカレー!」
さらに
「将来、家庭を持ったとしても、子どもが泥遊びなんて絶対許しませんわ!ペットもダメ!お風呂は一日5回!」
「そ、それじゃあ……家庭どころか修行僧生活じゃないか!」
さっちゃん「天使じゃなくて“消毒の鬼”だよコレ!」
「わたくしの理想は、無菌の天界ライフですの!」
「う、無理だ……俺は自由にカレーを食べ、土に足をつけて生きたい……!」
さっちゃん「魔王が“庶民派”に見えるほど地獄の性格だな!」
結局、お見合いは即終了。
魔王城の庭園は消毒液の香りだけを残して、天使のお嬢様は帰っていったのだった。
本日の学びポイント(さっちゃんの毒舌解説付き)
理想の清潔も行き過ぎると地獄!
さっちゃん「家の中がピカピカでも、心の中はギスギスになるんだよ!」
結婚は完璧よりも“ゆるさ”が必要!
さっちゃん「人間どころか魔族だって泥くらいつけて生きてんだ!」
性格の“きれい好き”と“潔癖症”は別物!
さっちゃん「“きれい好き”は天使、“潔癖症”は悪魔だ!いや今のは悪魔より怖ぇわ!」




