第5話 料理下手なドラゴン娘とのお見合い
魔王城の食堂。
テーブルには色とりどりの料理が並べられていた。
お見合い相手は、竜族の令嬢・ドラコーネ姫。
美しいエメラルドグリーンの髪、金色の瞳。スタイルも完璧。
「魔王さま! 今日は私、腕によりをかけてお料理しましたの!」
「おぉ、愛情料理か……!結婚生活を夢見てるみたいでいいじゃないか!」
さっちゃん「(小声)いや魔王、見ろよそのスープの色……毒々しい紫だぞ。スライム溶かした跡みたいになってるぞ……」
ダイマオウは一口スープをすすった。
「……ぶふっ!!な、なんだこれはッ!?不味すぎる!マジまじぃー」
「どう?愛情たっぷりですの!」
さっちゃん「味音痴確定~!!そのスープ、胃袋直撃の毒ガス兵器だろ!」
メインディッシュの肉料理を口に入れれば、
ゴリッ!ガリッ!(歯に当たる。)
「うわあああ!石?骨?いや岩盤!? これ歯が粉砕されるやつだ!」
「愛情で噛み砕けますわ!」
さっちゃん「無理だよバカ!愛情は歯医者代に化けねぇ!」
「(心の声)…俺は“愛があれば料理の味なんて”って思ってたけど……これだけは……無理だ……!」
さっちゃん「魔王よ……愛と胃袋は別物ってこと、今学んでるな?」
追い討ちをかけるように、ドラコーネがデザートを出す。
ドラコーネ「ふふっ、特製ケーキですの!」
(ケーキを切ると、中から生焼けの目卵がドロッ……)
「ぎゃああああ!」
さっちゃん「これもうスイーツじゃなくてバイオ兵器!」
ダイマオウがついに箸を置く。
「ご、ごめん……!いくら愛情でもこれは……」
その言葉に、ドラコーネの顔が真っ赤に
ドラコーネ「わたくしの料理をバカにしましたわねえええええ!!!」
バリバリッ!と全身から鱗が飛び出し、巨大な竜へ変身!
次の瞬間
ドッガーーーン!!
炎ブレスが暴発し、魔王城の屋根が丸ごと吹き飛んだ。
さっちゃん「ちょおおおい!!屋根が消し飛んだぞ!これ見合いっていうより怪獣大戦争だわ!」
瓦礫の山の中で、ボロボロになった魔王とさっちゃん。
「……料理下手でも愛で食べられると思ったのに……」
さっちゃん「バカ野郎!愛は胃薬じゃねぇ!むしろ保険適用外だ!」
ドラコーネ(竜の姿で泣きながら)「うわぁぁん!私のお料理、愛されないなんてぇぇぇ!」
屋根のない魔王城に響き渡る、炎混じりの嗚咽……。
本日の学びポイント(さっちゃんの毒舌解説付き)
不味い料理は愛情でもごまかせない!
さっちゃん「“愛情スパイス”とか言うやつ、大抵ゲロマズ飯作るからな!」
味音痴は破壊力バツグン!
さっちゃん「本人はウマいと思ってる分タチが悪い!胃袋が命の危機にさらされるぞ!」
結婚生活=家庭の味が毎日続くってこと!
さっちゃん「毎日この毒ガススープだったら寿命マイナス50年だわ!」




