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完結【51万3千PV突破 】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『さっちゃんとダイ・マオウの魔界の嫁探し 魔王城をたてなおせ!』

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第1話  魔王城の瓦礫と借金通帳

挿絵(By みてみん)

魔界の新しき支配者ダイ・マオウ。

挿絵(By みてみん)

任侠を愛し、義理人情に厚く、「守る魔王」として新時代を切り開こうと誓った熱血ヤロウである。


だが、魔王城はすでにボロボロ、財政は火の車。

さらに「後継ぎのために嫁を迎えよ!」と四天王や魔界評議会から猛プッシュを受ける。


そこへ現れるのが、見た目小学生・ランドセル姿の毒舌仕事人さっちゃん。

ベルモットの親友にして使い魔界の元締め、年齢350歳。

女王様気質で遠慮ゼロのさっちゃんは、魔界一の仲人役としてダイ・マオウの嫁探しに首を突っ込む。


挿絵(By みてみん)


「アンタ、任侠のくせに嫁ひとり見つけられないの? 魔王の沽券にかかわるわよ!」



かつて人間界を震撼させた巨大な魔王城。

今は屋根の半分が崩れ、壁にはツタが這い、廊下はスズメバチの巣と化していた。


「……おい、さっちゃん。本当にここが俺の居城か?」

 瓦礫の上で腕を組むのは、ダイ・マオウ。

 本名はダイ=マオウ。歴代の魔王の血を引きながらも、ただの支配者ではなく「守る魔王」を目指す熱血ヤロウだ。

 義理人情に厚く、困っている者を見過ごせない。だが、思い込みが激しく、借金の契約書にも勢いでサインしてしまう弱点がある。


「はいはい。あなたが“俺は任侠の道を歩むぜ!”って吠えながらリフォーム詐欺に引っかかった結果よ」

 毒舌を吐きながら、ランドセルを背負って瓦礫に腰かけるのはさっちゃん。

 年齢は350歳、見た目は小学生。ツインテールに小さな角を生やし、ランドセルの中には契約書やら通帳やらがギッシリ詰まっている。

 女王様気質で口が悪いが、交渉術と管理能力は魔界トップクラス。魔王の参謀役にして、婚活界の鬼コーチだ。


「俺は魔界を守る魔王になった! だが、城がボロボロじゃ威厳が立たねぇ……」

「しかもコレ」

 さっちゃんがランドセルから一冊の通帳を取り出し、ダイ・マオウの目の前に突き出す。

 表紙にはデカデカと「地獄銀行」と印刷され、残高欄には赤い数字が並んでいた。


「──マイナス、四千六百六十六万ゴールド」


「……地獄かよ!」

「地獄です。魔界です」

 さっちゃんは涼しい顔で答える。


「だが安心して。評議会から再建の条件をもらってきたわ」


「条件?」


「“嫁を迎え、後継を作ること”。それができなければ、城は取り壊し、あんたはただの無職魔族よ」


「な、なにィィ!?」

 ダイ・マオウは崩れかけた柱にしがみついた。

「無職魔族だと!? それは俺の任侠魂が許さねぇ!」


「じゃ、決まりね。今日からあんたは婚活開始」


「婚活……?」


「そう。見合い、合コン、合同お見合い会。ぜーんぶやって、あんたにピッタリのお嫁さんを見つけるの」

 さっちゃんはニヤリと笑う。


「ま、安心しなさい。婚活のプロ、さっちゃん先生がついてるんだから」


「お、おう……! 俺は任侠の魔王だ! 婚活ぐらい、義理と人情で勝ち抜いてやる!」

 ダイ・マオウは拳を突き上げた。


 こうして、魔界を救う(かもしれない)お見合いコメディが幕を開けるのであった。

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