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【ランキング12位達成】 累計53万4千PV運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:地の血判』

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序章 レセプションの招待状

霧に包まれた八つ裂き村。村の広場には、慣れないほどの煌びやかな装飾が施されていた。


リニア新幹線の新駅建設計画が正式に発表され、それを祝うレセプションパーティーの案内状が投資家達の家庭へと配られていた。


========================


【招待状文面】


八つ裂き村開発委員会 御中


拝啓 春光の候、皆様には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。


このたび、八つ裂き村におけるリニア新幹線新駅建設計画の正式発表を記念し、下記の通りレセプションパーティーを開催いたします。


日時:〇月〇日 午後六時より

会場:八つ裂き村 旧村役場ホール

服装:セミフォーマル


当日は、村の発展にご尽力いただいた皆様への感謝の意を表し、

軽食・ドリンクをご用意しております。

また、投資家および土地所有者の皆様にとって、重要な情報も公開されます。


何卒ご出席賜りますよう、お願い申し上げます。


敬具


八つ裂き村開発委員会

委員長 佐藤光


========================


「アルおじ、このレセプション……行くつもりか?」

カズヤは招待状を手に、少し眉をひそめる。


「当然だ。私が昨年購入した土地。この村の西端にある区画だが値段がなんと三倍に跳ね上がる。」

アイゼンは薄く笑い、手元の資料を広げる。地価上昇のグラフが赤く跳ねている。


「なるほど……村の関係者や地主たちの動向も把握できそうだな。」

カズヤは冷静に分析する。土地の価値が上がれば、裏で何かが動くのは必至だ。


「よし、パーティーへ参加しよう。情報収集と土地の動向、両方を抑えるチャンスだ。」

アイゼンハワードは上着の袖を整え、決意を固める。


「俺も同行する。村の空気を読み、潜在的なトラブルも確認しておく。」

カズヤはうなずき、二人は互いに目配せした。


「……莫大な金が動くときは、必ず何かが起きるものだ。」

アイゼンハワードは低くつぶやき、会場を見渡す。視線の先には、地主たちや役所関係者、建設会社の重役たちが、互いに警戒し合いながら談笑していた。


「ふふ、ワクワクするな!これは金の匂いだけじゃなく、事件の匂いもするぞ!」

カズヤは目を輝かせ、胸の高鳴りを抑えきれない。


「よし、行こう。俺たちの目で、耳で、全てを見逃さない。」

アイゼンハワードは静かに立ち上がり、カズヤと共に、霧に包まれた八つ裂き村の広場へ向かった。


その瞬間、二人にはまだ理解できない何か巨大な金と権力が交差する事件の影が、村全体に静かに動き始めていたのだった。


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