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完結【51万5千PV突破 】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:死刑執行人』

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エピローグ 希望を取り戻すために

赤い光は消え、制御室は静寂に包まれていた。

カウントダウンも止まり、核兵器は安全装置で封印されたまま。


ジャスパーが壁にもたれ、汗と血を拭う。

「……本当に終わったのか?」


セリーヌは深呼吸をし、仲間を見回す。

「ええ。でも、油断はできない。ゼフィルがいなくなっただけで、レッドウルフはまだ残っている。」


カテリーナは床に座り込み、腕を組んで苦笑した。

「全身ボロボロよ。でも……勝てた。」


アイゼンハワードは制御室の端末を見つめ、重い声で言う。

「核兵器の発射計画は阻止できた。しかし、彼が残した痕跡。コード、暗号、そして謎の通信。まだ全てを把握できてはいない。」



壁の端に転がるゼフィルの端末が、かすかに点滅する。

そこには赤い文字でメッセージが残されていた。


「世界はまだ、私の計算の下にある。次は君たちが試される番だ。」


ジャスパーが端末を手に取り、眉をひそめる。

「……まだ終わっていない。」


セリーヌは決意の目で端末を睨む。

「次の戦いも、必ず止める。」


カテリーナが立ち上がり、仲間たちを見渡す。

「疲れたけど……やるしかないわね。」


アイゼンハワードは端末を握り、低く呟く。

「次こそ、完全に終わらせる。」


静かに、しかし確実に


制御室の扉を開けた4人。

外の廊下には、まだ赤い警報灯の残像が揺らめく。

だが、彼らの背中には、決して揺るがない覚悟と信念があった。


廊下の奥、暗闇の中でかすかな影が消えた。

レッドウルフの残党か、それとも別の勢力か。

世界はまだ、完全に安全ではない。


だが、今はただ一歩ずつ、希望を取り戻すために進む。


赤い陰謀は止められた。

しかし、戦いは終わらない。


4人の物語は、ここから新たな章へと続く。






制御室を後にした4人の背中に、冷たい闇が忍び寄る。

廊下の赤い光は消え、静寂だけが支配する。


その瞬間――遠くの窓ガラスに、かすかな人影が映る。

黒いスーツに身を包んだ男の姿。銀白の髪が微かに揺れ、鋼の瞳が赤い残光を受けて冷たく光った。


端末には、影武者が残した暗号がまだ残されている。

男は微笑み、低く呟いた。


「影武者は任務を終えた……だが、私の計画は始まったばかりだ。」


手元のタブレットに世界地図を映し出す。

赤い点が複数浮かび上がり、それぞれが戦略拠点を示していた。

「この世界を再編し、赤い秩序の下に組み替える……東京、ベルリン、ニューヨーク……全ては次の舞台だ。」


男の指が次の目標を指す。

「正面からの戦いだけでは、勝てぬ……。影を操り、世界を揺さぶる。」


そして闇の中へ、音もなく消えていく。

わずかに揺れるカメラの残像が、次なる戦いの到来を告げていた。


制御室に残るのは、赤い残光と静寂。

そして、4人がまだ知らぬ、世界規模の陰謀の影。


戦いは、完全には終わっていない。

赤い秩序の影は、既に動き出していた。



『アイゼンハワードの魔族のおっさんはつらいよ16-赤い共産主義 ・死線のパトス』






ー完ー


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