第10話 赤い共産主義の陰謀
廊下の端、巨大な倉庫の扉が彼らを待つ。そこには、核兵器が保管された秘密施設の入口があった。
ジャスパーがドアハンドルを握り、目を鋭く光らせる。
「ここだ。赤い鍵の先に全てがある。」
セリーヌは手早く装置を取り出し、警報の回避プログラムを起動。カテリーナは背後の通路を警戒し、アイゼンハワードは落ち着いた目で部隊の動きを分析していた。
扉が開く瞬間、冷たい空気とともに、レッドウルフの影が蠢いた。赤い制服を纏った兵士たちが、手にした銃器を光らせ、四方から襲いかかる。
「突入だ!」
ジャスパーが叫ぶ。
カテリーナが疾風のように左右の敵を蹴散らす。ブーツが金属床を叩くたびに、火花が散る。
セリーヌは素早く銃を構え、精密な射撃で前方の兵士を倒す。
アイゼンハワードは冷静に手榴弾を投げ込み、爆風で通路を遮断。
通路の奥で、ゼフィルが一瞬躊躇したその瞬間、アイゼンハワードの投げた手榴弾が閃光と轟音を伴い爆発。赤い影が一瞬揺れ、兵士たちが崩れ落ちる。
核兵器室の扉が閉まると同時に、警報が轟き渡った。赤い光が点滅し、数字がカウントダウンを告げる。ジャスパー、セリーヌ、カテリーナ、アイゼンハワード4人は緊張の面持ちで立ち止まる間もなく、背後から激しい銃声が響いた。
「くそっ、まだ残党か!」ジャスパーが叫ぶ。
通路の影から、赤い制服をまとったレッドウルフの兵士たちが次々と飛び出してきた。手にした銃器が光を反射し、冷たい金属音が空間に響く。
カテリーナは瞬時に身を翻し、近距離の敵を蹴散らす。拳が鋼の胸板に炸裂し、兵士が床に倒れる。
セリーヌは精密な射撃で次々と標的を倒し、背後から迫る別の兵士も頭部を正確に狙い撃つ。
アイゼンハワードは冷静な指示役として、戦場を見渡す。
「ジャスパー、左の通路を抑えろ!カテリーナ、後方に下がる奴を阻止!」
四方八方からの攻撃は容赦なく、銃弾が金属の壁に跳ね返り、火花を散らす。
ジャスパーは赤い鍵を片手に持ち、もう片方で敵を撃退しながら前進。通路の端でゼフィルの影が一瞬見えたが、すぐに闇に消える。
「これ以上は引けない!」
カテリーナが叫び、二人の兵士を同時に倒す。セリーヌはその隙に制御パネルへ駆け寄り、配線を切断。カウントダウンは止まりかけ、赤い光が一瞬静まった。
しかし、突如として壁のハッチが開き、増援が押し寄せる。
アイゼンハワードは素早く手榴弾を投げ込み、爆風で通路を塞ぐ。煙と火花に包まれ、赤い制服の兵士たちが一瞬混乱する。
「今だ、前進!」ジャスパーが仲間を促す。
4人は一体となり、銃撃と格闘を繰り返しながら核兵器室の中心へ突入。壁に反射する赤い警報灯が、戦場を地獄のように染め上げる。
ゼフィルは影の中で笑みを浮かべ、戦況を静かに観察していた。
「信じる者たち…果たして、この世界を救えるか…」
緊迫した空間で、4人の連携が試される。銃撃、蹴り、回避、投擲すべてが一瞬の判断で命運を分ける。赤い共産主義の陰謀を背負った兵士たちは、最後まで死力を尽くして抵抗してきた。
煙が晴れ、金属の焦げた匂いが漂う中、4人は少しずつ敵を押し返し、ついに核兵器の制御装置に手を伸ばすことができた。
だが、ゼフィルの冷たい視線はまだ消えていない。赤い光に照らされたその瞳は、次なる戦いの予感を残していた。




