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【ランキング12位達成】 累計56万2千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:死刑執行人』

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第1話 雪深き森のペンション

挿絵(By みてみん)

雪がしんしんと降り積もる山奥、街の喧騒から遠く離れた場所に、ひっそりと佇むペンション『雪華』があった。赤い屋根に白く積もった雪は柔らかく光を反射し、外壁の木材は雪の重みでうっすら白く染まっている。小さな煙突から立ち上る煙が、室内の暖かさを想像させる。玄関前には石畳が敷かれ、雪に足跡が刻まれていく。


扉を開けると、木目を基調にした内装が出迎える。暖炉の火は柔らかな橙色の光を放ち、石造りの暖炉台には古いキャンドルや小さな魔除けの飾りが並ぶ。木製の梁が天井を支え、壁には地元作家の風景画が飾られている。廊下の先には個室が続き、部屋ごとに異なる色合いのカーテンや柔らかいラグ、手作りのベッドカバーが置かれ、雪深い森の静けさと室内のぬくもりを感じさせる。


ペンション到着の宿泊客たち


①寺田健一(36歳・サラリーマン)

新婚、温厚で家族思い。

新妻と共に都会の喧騒を離れて休暇に訪れる。


②寺田恵理子(33歳・ジャーナリスト)

勇敢で真実を追求する。スクープに敏感。

新婚旅行でペンションを訪れる。


③伊藤誠一(34歳・システムエンジニア)

論理的で細かいことにこだわる。人見知り。

技術的問題解決に長け、冷静な判断が得意。


④小林花(28歳・フリーランスイラストレーター)

明るく社交的。周囲を和ませる存在。

芯は強く、自分の信念を貫く。


⑤鈴木大輔(45歳・小説家)

落ち着いた雰囲気で観察力が鋭い。

新作のインスピレーションを求めて滞在。


⑥山本拓也(30歳・フリーランスカメラマン)

冒険心旺盛で撮影が趣味。

自然や人々の生活をカメラに収めることに情熱。


⑦中村聡(50歳・元警察官)

厳格で正義感が強い。

現在は地元の安全を守るボランティア活動を行う。


⑧山崎理沙(27歳・民俗学専攻大学院生)

好奇心旺盛で自然や文化に詳しい。

ペンションの周囲の歴史や伝承に興味を持つ。


⑨高橋和也(35歳・登山ガイド)

山岳や自然環境の知識に長ける。

吹雪や雪崩など山の危険に敏感。


⑩アイゼン・ハワード(473歳・魔族サターン/MI6所属)

洞察力と直感に優れる。魔族としての能力も。

孫・カズヤと共にペンションに到着。


⑪カズヤ(34歳・孫)

冷静で論理的。孫としてアイゼンと同行。

危険の気配に敏感で直感も鋭い。


美和はにこやかに迎える。「皆さん、リビングにどうぞ。暖炉の火もついていますし、外の寒さを忘れられますよ。」


理沙は目を輝かせながら周囲を見渡す。「木の香りがすごく落ち着きますね。雪景色も美しい!」

高橋は窓の外を見つめ、慎重に言った。「吹雪が強くなる前に安全を確認しておきたいです。」


健一は微笑む。「ここでは新しい思い出を作りましょう。」

恵理子は鋭い目で外を眺める。「でも…何か、ただの静寂じゃない気がするわ。」


重厚な車の音が雪道に響き、玄関前に赤いマントをたなびかせる男と、やや緊張した表情の若者が降り立った。

アイゼンハワードと孫のカズヤである。


アイゼンは雪を踏みしめながら、直感を研ぎ澄ます。

「ここ…空気が、妙だ。普通の宿ではない。」


カズヤは周囲を観察しつつ、アイゼンの視線に呼応する。

「アルおじ、僕も…何か、ただならぬ気配を感じる。」


美和は微笑み、

「あら、アイゼン様、お待ちしておりました。」


アイゼンは丁寧に頭を下げる。

「ご招待、感謝します。…しかし、森が深すぎますね。吹雪も強い。」


廊下を歩きながら、アイゼンは部屋の間取りや窓の位置、暖炉の設置を確認する。その視線は、まるで潜む危険を探るかのようだった。

カズヤはアイゼンの横で小声でつぶやく。

「何か…このペンション、ただの観光地じゃない気がする。」


アイゼンは頷き、

「そうだな…この空気、他者の意図が入り込む余地がある。」

二人の推理の火花が、雪深いペンションの内部で静かに灯る。


アイゼンとカズヤが案内された部屋は、木目の床に柔らかいラグ、窓際には雪景色を楽しむための小さな椅子とテーブルが置かれていた。手作りのベッドカバーが温もりを添え、古い暖炉の火が静かに揺れている。窓の外では、吹雪が白く光る世界を描き、室内との対比で孤立感を強めていた。


アイゼンは窓から外を覗き、吹雪の中で隠れる人影の可能性を探る。「視界が悪い。だが、誰かが動いていれば、必ず痕跡が残る。」

カズヤは息を呑み、

「ここで何か…事件が起こるんですか?」


アイゼンは答えず、ただ窓の雪景色を見つめ、推理の糸を静かに手繰り寄せる。


アイゼンは窓の外に視線を向けたまま低く呟いた。

「……始まるぞ。これは、偶然の集まりではない。」


カズヤは息を呑み、手にしたカップを強く握りしめた。

暖炉の火がぱちりと弾け、まるで不吉な合図のように、ペンション「雪華」の夜が深まっていった。


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