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【ランキング12位達成】 累計54万4千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:幽騎士城の夜想曲(ノクターン)』

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【最終話】 世界の混乱と余韻

オメガ・スフィア暴走 ネオ・クロノス社本社タワー崩壊の頂上


背後でスフィアが爆発的なエネルギーを放射し、

タワー全体が揺れる。

都市のネオンが明滅し、遠くの空に裂け目が走る。


「ジャスパー! 制御は!?」

クロエが叫ぶ。


ジャスパーは額に汗を流しながら端末を叩き続ける。

「あと数十秒……ライカントロスの魔力をぶつけなきゃ抑えられねぇ!」


アイゼンは仲間の声を背に、最後の力を振り絞った。

魔獣ライカントロスの咆哮と共に、漆黒の障壁が展開し、

暴走するスフィアを包み込む。

空間の裂け目が軋むような悲鳴を上げ、やがて収束していった。


制御室に残るのは、崩壊寸前の瓦礫と焦げた鉄の匂い。

倒れ伏したドクター・マクシミリアンの亡骸は、無言で冷たく横たわっていた。


アイゼンが息を整えたその瞬間――

瓦礫の中から、傷だらけのアリシアが立ち上がる。

その手には、なお黒光りする拳銃。


「復讐は……まだ終わらない……」

血に濡れた唇でそう囁き、銃口をアイゼンに向ける。


引き金が引かれる音。

だが、銃声は響かなかった。


次の瞬間、アリシアの姿は影の中に溶け、

霧のように消え去った。


余韻


制御室に残る仲間たち。

世界は救われた。しかし、敵は完全には潰えていない。


セリーヌが悔しげに銃を握りしめる。

「逃がした……」


クロエは冷たい瞳を閉じ、低く呟いた。

「いいえ。まだ“終章”は来ていない……彼女は必ず再び現れる」


風間は沈黙のまま、刀をそっと鞘に収める。

レオンは肩で笑い、「次に来るなら、今度こそ派手に迎えてやる」と呟いた。

ジャスパーはなお端末を操作し、世界に残された“余波”を確認していた。


アイゼンは崩れゆく天井の隙間から覗く空を見上げ、

「……ならば我らは立ち続けよう。

復讐の女が再び世界を焼かぬように」

と静かに誓った。


ネオ・クロノス社本社タワーは断末魔のように軋み、ガラスと鉄骨が雨のように崩れ落ちる。


都市のネオンが明滅し、遠くの空には裂け目が走る。


オメガ・スフィアの余波がまだ世界を揺らし続ける中、六人は瓦礫の上に立っていた。


セリーヌ「くそ……逃げやがった。でも、次は絶対に捕まえてみせる」

クロエ「影の女はまだ終わらない……だが、我らも同じ闇を背負って立ち続ける」

風間「言葉は不要……刀が全てを語る」

レオン「派手に迎え撃つ覚悟はできてる。奴が次に来ても、粉砕してやる」

ジャスパー「残されたコードも、世界の余波も俺たちが止める、絶対にな」

アイゼンハワード「ならば我らは立ち続けよう。復讐の女が再び世界を焦がす前に、我らが盾となる」


瓦礫の中で六人の影が、崩れゆくタワーの巨大なシルエットに映し出される。

落ちてゆく鉄骨の軋みと光の乱舞が、彼らの決意をさらに際立たせた。


都市のサイレンが鳴り響き、世界中で異界の痕跡が残る。

スフィア残滓による異界生物がちらつき、まだ完全な勝利ではないことを告げていた。


しかし六人は互いの背を確認し、再び立ち上がる覚悟を固める。



夜空を裂く稲光に、アリシアの瞳が一瞬だけ映る。

黒衣の女の決意。次なる復讐の予兆。


画面は暗転し、赤い文字が浮かぶ。


復 讐 は 終 わ ら な い



『アイゼンハワードの魔族のおっさんはつらいよ14 ―復讐のアリシア再来』





ー完ー


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