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【ランキング12位達成】 累計53万8千PV運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:幽騎士城の夜想曲(ノクターン)』

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第10話 ネオ・クロノス社本社タワー内部開戦

東京湾岸。


黒曜石の刃のように空を切り裂く摩天楼、ネオクロノス社本社タワー。

高さ800メートルを誇るその巨塔は、夜空を背に赤黒い光を帯びていた。外壁のラインが異界の脈動と共鳴し、建物全体が巨大な「生きた機械」のようにうねりを放っている。

その頂点には、世界を飲み込む「ラスト・コア」が脈動していた。


挿絵(By みてみん)


ヘリから降下したMI6特殊チームの6人が、タワーのエントランスを突破する。吹き抜けの大理石ホールに待ち構えていたのは黒装束に身を包んだアリシア親衛隊。


赤い瞳を光らせた異能兵士たちが一斉に武器を構える。


「来たか、MI6……。」

冷たい声と共に、戦端が開かれた。


レオン & セリーヌ & 風間 vs アリシア親衛隊


銃声が響き、セリーヌの銃弾が敵を薙ぎ払う。

その横で、風間 迅は一歩前に出る。


「……。」


彼は言葉を発さず、ただ刀を抜いた。

瞬間、疾風のように駆け抜け、親衛隊の前衛が一閃で崩れ落ちる。

もう一人が振りかざした斧は、風間の刀が弾き、返す刃で喉を断たれた。

斬撃は迷いなく、冷徹に、次々と敵を切り裂いていく。


「チッ……化け物じみた速さだな」セリーヌが息を吐きながらも、狙撃で援護射撃。

「前を任せる。後ろは私が掃除する!」


「ハッハァ! 待ってたぜ!」

レオンはミニガンを肩に担ぎ、轟音と共に火線をばらまく。

弾丸の嵐が壁をえぐり、突進してきた親衛隊の装甲を次々と破砕する。


だが親衛隊も並の兵士ではない。

弾丸を受けてもなお進み、腕から異界の衝撃波を放つ。

爆発がレオンを吹き飛ばすが、彼は豪快に笑って立ち上がる。


「効かねえなァ! もっと来いや!」


銃声と刀閃が交錯し、二人は背中合わせで親衛隊と死闘を繰り広げた。


風間の刀が音もなく相手の鎧を斬り裂き、派手な爆発と共に敵が倒れこむ。

セリーヌが身を捨てるように突き、回し蹴りがもう一体を粉砕。


親衛隊は数の利で押し寄せるが、セリーヌと風間は完璧な連携を見せ、次々と切り崩していく。


血と機械の火花が飛び散り、ホールは肉弾戦の悪夢と化していた。




クロエ&ジャスパー vs ドクター マクシミリアン(電脳空間)


同時に、ジャスパーがドローン制御パネルを奪い取り、仮想空間へのリンクを開く。


クロエは冷静にキーボードを叩き、遠隔ハッキング戦を開始する。


画面が変わり、二人は電脳空間の中へ引き込まれる。

青いデジタルの闘技場。中央にはドクター・マクシミリアンのモジュール化された意識が漂い、冷酷な顔が浮かぶ。


「DGSEの誇る優等生か。ここで消えろ。」

鋭く響く声と共に、サイバー攻撃が襲いかかる。


クロエの解析が光を放ち、ジャスパーの反撃コードが渦を巻く。

カオスと秩序の狭間で、彼らは一進一退の知的戦争を繰り広げる。

コードは火花となり、ホロディスプレイに映る二人の顔に緊張が浮かぶ。


赤黒いデータの奔流が牙のように迫り、ジャスパーが即座にコードを書き換える。


「……やらせるか!」

クロエは冷静に解析を開始し、データの罠を次々に無効化。

三人の頭脳と技術がぶつかり合う、壮絶なサイバー決戦が始まった。





アイゼン ハワードvs アリシア


最上階、円形の制御ホール。

赤黒い魔法陣の中心に、ラスト・コアが浮遊し、眩い光を放つ。


その前に立つのは──黒衣の女、アリシア・ヴァレンタイン。

紅い瞳を爛々と輝かせ、長い髪を揺らしながらアイゼンを迎えた。


「ようやくここまで来たわね、アイゼンハワード。」

「アリシア……その執念、もう終わらせる時だ。」


二人はゆっくりと歩み寄り、視線を交錯させる。

老練の魔族と、復讐に燃える女。

彼らの間に走るのは、歴史そのものを断ち切るような緊張。


アリシアの手が宙を舞うと、黒炎の剣が出現。

アイゼンは静かに魔力を解放し、闇色の障壁を纏う。


「これは私の復讐。そして、新しい秩序の誕生。」

「……ならば老魔族の誇りにかけて、その幻想を砕く。」


刹那。

二人の衝突が、ラスト・コアの光を揺るがせ、制御室全体を震わせた。


ついに6人全員が揃い、それぞれの宿敵との決戦が始まる。

ネオ・クロノス社本社タワーでの闘いによる世界の命運はこの戦いに託された。



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