第１話 再び集う仲間と新しい仲間
チームMI6、
【世界が終わるその時、最後に立つのは彼らだ。】
アイゼンハワード・ベルデ・シュトラウス
所属：MI6 対異能特務課
種族：魔族サターン
年齢：471歳（人間換算で中年後期～初老）
外見：185cm／70kg。赤い瞳、ワインレッドのマント、貴族的な装い。白髪混じりを気にして保湿クリーム常備。
性格：優雅で気取っているが根は寂しがり屋の世話焼き。ナルシスト気質を自覚しており、皮肉屋だが心配りは細やか。
戦闘特徴：銃と魔族の力を制御して戦う老練なエージェント。経験に裏打ちされた戦術眼を持つ。
ジャスパー・クロウリー
所属：MI6 技術・諜報支援
年齢：不明（30代前半程度に見える）
外見：小柄で痩せ型。眼鏡の奥は隈だらけだが、にやけ顔は自信に満ちる。いつも工具バッグを持ち歩く。
性格：自信過剰で皮肉屋。だが頭脳明晰で、観察力と技術力は本物。
戦闘特徴：発明品・機械装置を駆使して戦場をコントロール。ドローンや特殊兵装で仲間を支援する参謀。
セリーヌ・ハートマン
所属：MI6 若手エージェント
年齢：20代半ば
外見：栗色の髪をポニーテールにまとめ、緑の瞳を輝かせる。戦闘スーツ姿で凛々しい。
性格：真面目で情熱的。仲間を守る意思が強く、行動は直感的だが正確。
戦闘特徴：ドライビングテクニックに優れ、戦闘支援のスペシャリスト。狙撃や小火器の扱いも得意で、チームの切り込み役。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ロンドン。MI6本部、テムズ川を望む重厚なビルの地下会議室。
雨粒が分厚い窓を叩き、曇天の空気は沈鬱に沈んでいた。
壁一面に映し出される世界地図。赤いマーカーが各地に点滅している。
ベルリン、カイロ、上海、サンパウロ――そのすべてで「異界技術」の強奪事件が発生していた。
会議室の中央、重苦しい沈黙を破ったのは本部長の低い声だった。
「首謀者の名は……アリシア・ヴァルデス。」
スクリーンに映し出された冷徹な女の顔。黒髪の艶、鋭い瞳。
かつて仲間だったMI6のエージェント。今や世界を混乱に陥れる裏切り者。
アイゼンハワード・ベルデ・シュトラウスは、赤い瞳を細めながら腕を組んでいた。
魔族の老練な諜報員。その顔に浮かぶのは、哀しみか、それとも怒りか。
「……彼女が真に望んでいるのは、ただの力ではない。
復讐だよ。血よりも濃い、裏切りの香りがする。」
低い声が会議室を震わせた。
横で椅子を傾けていたジャスパー・クロウリーは、欠伸を噛み殺しながら眼鏡を押し上げる。
「復讐だろうが野望だろうが、厄介なのは事実さ。俺たちの仕事は簡単だ。どうにかして止めること。」
その声音には皮肉と、わずかな緊張が混じっていた。
セリーヌ・ハートマンは背筋を正し、瞳を燃やすようにして口を開く。
「逃がしません。前回だって……あと一歩で止められたのに。」
彼女の拳は固く握られ、机を震わせた。
その若さと熱意に、アイゼンはわずかに苦笑する。
「君はいつも真っ直ぐだな、セリーヌ。だが焦燥は判断を鈍らせる。敵は君のその情熱すら利用するだろう。」
そして、重い扉が開いた。
ヒールの音が静かに響き、ひとりの女が姿を現す。
長身で、冷ややかな表情を浮かべたフランス人の女性、クロエ・ルノワール。漆黒のスーツに身を包み、書類ケースを片手に持っている。
クロエ・ルノワール
所属：DGSE（フランス対外治安総局） 特殊任務部門／MI6へのリエゾン協力員
年齢：32歳
外見：身長170cm前後、引き締まった体躯。プラチナブロンドの髪をタイトにまとめ、切れ長の青い瞳は冷静そのもの。常に黒を基調としたタイトスーツか、行動任務時は機能的なコンバットスーツを着用。装飾は最小限、腕時計型デバイスのみ身につける。
性格：極めて理性的でクール。感情を表に出すことは少なく、冷淡にも見えるが、内には強い義務感と信念を秘めている。仲間を守るよりも「任務の遂行」を優先する現実主義者。時にMI6のチームメンバーと衝突するが、彼女なりの誠実さを貫く。
戦闘特徴：射撃の名手（狙撃・拳銃の正確無比な射撃が得意）
格闘術はシンプルで効率重視（柔道・クラヴマガをミックス）
真価は「情報戦」暗号解読、諜報活動、監視・尾行、電子戦。
携帯型ハッキングデバイスや小型ドローンを駆使し、MI6チームの戦場を“情報の目”としてサポート
「……初めまして。フランス対外治安総局より派遣されたクロエ・ルノワールです。暗号解析と潜入情報、あなた方に不足している部分を補うために来ました。」
彼女の声は低く、無駄のない調子。
冷静沈着で、感情の揺れを一切見せない。
ジャスパーがにやりと笑った。
「氷の女神ってところか。俺のジョークに反応しないタイプだな。」
クロエは一瞥すら与えず、淡々と資料をテーブルに置く。
「アリシアの動向に関する暗号通信をいくつか解読しました。
彼女の次の標的は、ベルリンのブラックマーケットです。」
会議室の空気が一変する。
全員の視線が交わり、沈黙の中に覚悟が満ちた。
アイゼンがマントの襟を整え、低く呟く。
「また始まるか。我らの世界を救う戦いが。」
冷たい雨のロンドンの空を背に、MI6「対異能特務課」は再び立ち上がった。
