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【ランキング12位達成】 累計56万6千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:魔導列車殺人事件 〜列車内で消えた凶器〜』

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エピローグ 燃え盛る復讐の炎

崩壊寸前の都市を脱出し、MI6回収部隊によって辛うじて帰還した三人。

ロンドン本部の会議室には、冷却ケースに収められた オメガ・スフィア が静かに鎮座していた。


局長が深く頷く。

「任務は達成された。世界は、ひとまず救われた。」


ジャスパーは疲労困憊の顔で椅子に沈み込み、セリーヌは鋭い視線でスフィアを見据えた。

だが、アイゼンだけは黙したまま窓外の雨を見ていた。


アリシアの影


報告官が口を開く。

「……アリシア・グレイ。生死は確認されていません。

 瓦礫の中に残された痕跡から推定するに、独自にスフィアに接触しようとした可能性があります。」


セリーヌの拳が机を打つ。

「つまり……あの女はまだ生きている。」


ジャスパーが息を呑む。

「もし彼女がスフィアを……」


アイゼンが低く言葉を継ぐ。

「復讐と野心、その両方を炎にして。彼女は必ず戻る。

 今度は、我らを打ち倒すために。」


その声には、戦場で幾度も敵を見送ってきた老魔族ならではの確信が宿っていた。




その頃

崩れ落ちた地下都市の奥深く。


漆黒の瓦礫に覆われた空間で、血に濡れたアリシアがゆっくりと立ち上がる。

左手には深い傷、だがその瞳は燃え盛る復讐の炎で満ちていた。


「……必ず取り戻す。 オメガ・スフィアも、私の未来も……あの裏切り者どもを屈服させるその日まで。」


紫の残光が彼女を照らす。

崩壊の闇に包まれながら、その身はやがて姿を消していった。


ロンドン本部では、静寂の中でスフィアがわずかに光を放つ。

その脈動は、まるで遠い宇宙で待ち構える異星艦隊へと信号を送っているかのようだった。


アイゼンはその気配を見逃さなかった。

「……戦いは、まだ終わっていない。」


雨音だけが響くロンドンの夜。

やがて迫り来る、さらなる闇を予感させながら。



『アイゼンハワードの魔族のおっさんはつらいよ13ーブラック・リザレクション』




ー完ー

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