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【ランキング12位達成】 累計58万6千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
第四章 闇の宗教

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第三話 冥府の王

瓦礫と化した王都の奥―

崩れかけた王城の最深部に、唯一手つかずで残されていた“玉座の間”。

そこだけは、何者かの手によって守られていたかのように、静かで、禍々しく、異様だった。


扉を押し開けたのは、勇者アルベルト、黒魔術師マーリン、修道女シスターマリア、そして(リスク

海賊戦士グレイスオマリー。


中に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。


重い…

空気が…死んでいる。


「いるな。気配が違いすぎる」

俺がそう呟いた時、闇の玉座の前にそれは立っていた。


全身を燃え盛る黒炎に包み、骸骨の鎧を纏う巨体。

虚無を湛えた瞳がこちらをじっと見下ろしていた。

背中には禍々しい漆黒の翼。その羽根一枚一枚から、うごめく死者の怨念が漏れ出している。


挿絵(By みてみん)


―――――――――

名前:冥府の王ハデス(冥府の神)

レベル:99

体力:99999

攻撃:999

防御:999

素早さ:999

魔力:6666

賢さ:999

運:1


固定スキル 不死身(通常の攻撃では倒せない)状態異常無効(毒・麻痺・眠り・混乱無効) 闇属性完全吸収 死者蘇生(倒した味方をアンデッドとして従える)


この世界で冥界と死者の支配者、 冥府を統べる不死の王。

死者の魂を統べ、怨嗟と絶望を糧として生きる存在。

かつて神々の戦いの果てに冥府の支配を任されたが、自ら望んで闇に堕ちたとも言われている。

―――――――――



「…あれが、冥府の王…ハデス…」

シスターマリアが声を震わせながら呟いた。


ハデスが手をかざす。


「我が審判を受けるがよい、哀れな人間どもよ――」


《冥府の審判ジャッジメント・アポストル》!!

地面から無数の黒鉄の鎖が現れ、俺たちを絡め取った!

心の奥の弱さを見抜いたかのように、鎖は赤黒く脈動し、焼けつくような痛みが体を走る。


「ぐうっ…なにこれ…痛え……心が…!」

俺は膝をついた。マリアも苦悶の表情を浮かべている。


「グレイス!やばいって、こいつ格が違う!」


《奈落の葬送カタコンベ・サクリファイス》!!

ドオオオン!!!


天井が揺れた――そう思った瞬間、地面が裂けた!

巨大な墓石が飛び出し、勇者アルベルトを押し潰す。


「うおおおおおおぉぉぉっっっ!!」

アルベルトが盾で受け止めたが、地響きとともに床に沈み込む。


さらに…


《怨魂の旋律リクイエム・レクイエム》!!

空間がひび割れるような音とともに、無数の死霊が現れ、不気味な旋律を奏で始めた。

全身が凍りつくような恐怖に襲われ、誰もがその場に立ち尽くす。


「っく…声が…出ない……!」

シスターマリアが震える唇で祈りを唱えようとするが、声にならない。


《死神の抱擁デス・エンブレイス》!!

ハデスが空に舞い上がった――!


「降り注げ、死の槍よ!!」


数百本の瘴気の槍が雨のように降り注いだ。

グレイスがとっさに爆弾を投げ、煙幕を張って回避するが、爆風に巻き込まれて壁に叩きつけられる。


「っち…痛い…でも楽しい……!」

グレイスは舌なめずりして爆弾に点火する。


「やってやるよ、ヘルボーイ!」


ドォォォオオオン!!!


直撃する火球! だが、ハデスはほとんどノーダメージ。


「焼けるのは生きてるもののみ……死者に業火は効かぬのだ」


そして、最後の技が発動される――!


《アビス・クラウン(地獄の王冠)》!!

地面が震え、天井が砕けた。


空中に現れる巨大な黒王冠。その中心から冥府の力が解き放たれる。


「喰らうがよい…冥府の終焉を」


広がる黒い波動。床が割れ、過去に倒された無数の魔物たちがゾンビとして甦る。


「もうダメか……」

俺は毒針を握りしめながら、絶望しかけた。


挿絵(By みてみん)



だがその時――


「……あれ?」


ハデスの動きが止まった。


虚無の瞳がマーリンを見つめた。


「……あれ? マーリンちゃん?」


「えっ、は?……え、何?」

マーリンが混乱して首を傾げた。


「ハデスおじちゃんですよ。お寿司一緒に食べたでしょ?」


「え…? ちょ、ちょっと何を…知らないですわ、どちら様……」


「冷たいなぁ…あのときザギンの回らない寿司行ったじゃん。覚えてるでしょ?」


「ほんとに知らないですわ」

※明らかに動揺してる


ハデスはしばらく沈黙したあと、すっと態度を改めた。


「――マーリンちゃんの知り合いだとは……失礼いたしました」


そして、地面に漆黒の門を出現させた。


「我、地獄へと還らん。また寿司食べようね」


ズゥゥゥン……と音を立てて、ハデスは門の中へと消えていった。


静寂が戻る。


「……なんだこれ」


俺たちは呆然と立ち尽くす。


「あのマーリンさん……ハデスとどういう関係なんですか?」

シスターマリアが震える声で尋ねた。


「……さぁ?記憶にございませんわ」

マーリンは汗をかきながら、とぼけていた。


だが――

俺は確信している。


この女……絶対、冥府と何か関係ある。....魔族だからだ。


「とりあえず……生きてて良かった」

俺はそう呟き、瓦礫の上に座り込んだのだった。




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