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【ランキング12位達成】 累計52万2千PV運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:魔導列車殺人事件 〜列車内で消えた凶器〜』

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第7話 空中戦での激闘

崩壊都市、夜空の下で


崩れ落ちたビル群の間から炎が立ち上る。

その上空を、MI6特務課の小型輸送機が旋回していた。

操縦席に座るセリーヌの緑の瞳は鋭く、HUDに映し出される赤い警告を無視して操縦桿を握りしめている。


後部座席では、ジャスパーがノート端末を叩きながら呟いた。

「……アリシア・ヴァルデス。コードネーム《ナイトクロウ》。

元は東欧の影の諜報機関に属し、MI6とも一時的に共同作戦を行っていた……だが、最後は味方を売って姿を消した。」


アイゼンはその言葉に静かに頷き、赤い瞳を閉じる。

「裏切りを武器にしてきた女か。……ならば、次に狙う場所も、心の隙も、必ず読み取れる。」


その瞬間、無線が割れた。

「ご名答よ、アイゼンハワード。」

アリシアの艶やかな声が、機内に流れ込む。


空中追撃の幕開け

次の瞬間、夜空を裂いて黒い戦闘機が接近。

ネブラの部隊機、そして――アリシアの専用機。

漆黒の機体が三日月の光を反射し、翼下からミサイルが解き放たれた。


セリーヌが操縦桿を倒す。

輸送機はギリギリで急旋回し、背後に爆炎が弾ける。


「こっちは非武装だぞ!? おいおい、落とされるって!」

ジャスパーが悲鳴を上げるが、セリーヌは冷静に言い放った。


「空中戦闘スーツに切り替える。地上じゃ追いつけない!」


輸送機のカーゴベイが開き、強風が吹き込む。

セリーヌがスーツを起動させ、黒髪をなびかせて空へと躍り出た。



重力を切り裂くように、彼女の戦闘スーツが光を放つ。

ブースターを噴かし、瓦礫都市の上空を縦横無尽に飛ぶ。


背後から追撃するのはアリシア自身。

冷たい瞳、黒いスーツ、そして手にしたコンパクトライフル。

「セリーヌ。あなたは強い。でも、戦場では強さより残酷さが勝つのよ。」


彼女の弾丸が夜空を裂き、セリーヌの肩をかすめた。

スーツが火花を散らすが、セリーヌは逆に急上昇して反撃。

銃撃とブレードの交錯が、夜の空中に火花を散らせた。



機内でジャスパーが息を呑む。

「まずい、奴らは戦闘機を使って追い立ててる!逃げ道を潰すつもりだ!」


アイゼンは静かに立ち上がり、カーゴベイから空を見上げた。

「いや……違う。アリシアは戦闘を楽しんでいるわけじゃない。

奴の狙いは、オメガ・スフィアの座標を炙り出すことだ。」


彼は赤い瞳でアリシアの動きを追い、呟く。

「……次に来るのは、北の崩壊タワー。その地点が狙われる。」


ジャスパーが驚き、端末を叩く。

「本当だ!オメガ・スフィアのエネルギー反応、北のタワー付近で急上昇してる!」


アリシアは空中で銃を構え、笑った。

「正解。あなたたちは、いつも一歩遅い。」


セリーヌが息を荒げながら叫ぶ。

「いいえ、あなたを止めて、必ずその未来を掴む!」


炎と銃撃、戦闘スーツのブースターが交錯する。

崩壊寸前の都市を背景に、夜空の空中戦はさらに苛烈さを増していった。



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