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【ランキング12位達成】 累計55万1千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:魔導列車殺人事件 〜列車内で消えた凶器〜』

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第5話 アリシアとの直接対決

地下研究施設。

疑似核を背にしたアリシア・ヴァルデスは、堂々と銃を構えた。

その瞳には一片の迷いもなく、冷たい光だけが宿っている。


「誤解しないで。私は最初からMI6の仲間じゃない。

あなたたちの敵、《ネブラ》の諜報員としてここにいるの。」


セリーヌの表情が固まる。

「……やっぱり。あなたを信用しなくて正解だった。」


アリシアは皮肉めいた笑みを浮かべ、軽やかに指で銃口を撫でた。

「でも“協力者を装う”っていうのは案外便利なのよ。情報も資材も、あなたたちの組織から散々吸い上げさせてもらった。」


無線のジャスパーが叫ぶ。

「おいおい、こりゃ完全に罠だったってわけか……!アイゼン、おっさん、どうすんだよ!」


セリーヌは怒りを抑えきれず、トリガーに指をかける。

「話は終わり。あとは力でねじ伏せるしかない。」


しかしアイゼンは一歩だけ前に出て、赤い瞳でアリシアを見据えた。

「……まだ情報を引き出せる。彼女の口から語らせろ。」


その一言に、セリーヌは歯を食いしばる。

「あなた、甘いわよ。敵に情けをかけてる暇はない!」


緊張がチームの空気を裂く。


《ネブラ》の首魁、カイ・ラヴクラフト


挿絵(By みてみん)


その時。轟音とともに天井が崩れ、闇を纏う巨影が姿を現した。

長身の男。灰色の肌、蒼白の瞳。

外套を広げると、その背後から異形の兵士たちが湧き出す。


「アリシア、ご苦労だった。」


その声は低く、雷鳴のように重い。

彼の名は カイ・ラヴクラフト。

異界組織ネブラを率いる冷酷無比の支配者だった。


影の兵士たちが武器を構え、地下施設は一瞬にして戦場と化す。


戦闘の幕開け


アリシアはカイの隣に立ち、冷ややかにアイゼンたちを見下ろす。

「あなたたちの役目はここまで。ラストコアは、ネブラがいただく。」


セリーヌが鋭く銃を構える。

「……私たちを舐めないことね。」


マントを翻したアイゼンの漆黒の炎が広間を包み、セリーヌの弾丸が閃光のように走る。

対するカイは片腕で衝撃波を生み出し、兵士たちが一斉に襲い掛かる。


こうしてアリシア=敵の工作員という真実と、《ネブラ》の首魁カイの登場によって、物語は一気に戦争の局面へと突入した。


瓦礫と警報が響く地下研究施設。

カイ・ラヴクラフトの一撃は空間を震わせ、壁に亀裂を走らせた。


アリシアが隣に立ち、挑発的に笑う。

「見ての通りよ。私はネブラと共に新秩序を築く。

あなたたちMI6は、時代のゴミ箱に捨てられる運命。」


セリーヌは銃を構え、緑の瞳に怒りを宿す。

「秩序?それは支配の言い換えに過ぎない!」


アイゼンは一歩前に進み、ワインレッドのマントを翻した。

赤い瞳が闇を貫く。

「……ならば、ここで止めるまでだ。」


地下の乱戦 轟音。

セリーヌの弾丸が閃光を描き、アイゼンの漆黒の炎が走る。

しかしカイは片手でその全てを受け止めた。

「弱いな。伝説の魔族と呼ばれても、その程度か。」


背後の暗がりから黒い戦闘スーツ部隊が雪崩れ込み、銃火と閃光弾が地下を埋め尽くす。


「撤退だ!」

アイゼンの低い声が響き、セリーヌは即座にラストコアを抱え直した。



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