プロローグ 世界の危機の前触れ
チームMI6、コードネーム《ブラック・リザレクション》。
【世界が終わるその時、最後に立つのは彼らだ。】
アイゼンハワード・ベルデ・シュトラウス
所属:MI6 対異能特務課
種族:魔族サターン
年齢:471歳(人間換算で中年後期~初老)
外見:185cm/70kg。赤い瞳、ワインレッドのマント、貴族的な装い。白髪混じりを気にして保湿クリーム常備。
性格:優雅で気取っているが根は寂しがり屋の世話焼き。ナルシスト気質を自覚しており、皮肉屋だが心配りは細やか。
戦闘特徴:銃と魔族の力を制御して戦う老練なエージェント。経験に裏打ちされた戦術眼を持つ。
ジャスパー・クロウリー
所属:MI6 技術・諜報支援
年齢:不明(30代前半程度に見える)
外見:小柄で痩せ型。眼鏡の奥は隈だらけだが、にやけ顔は自信に満ちる。いつも工具バッグを持ち歩く。
性格:自信過剰で皮肉屋。だが頭脳明晰で、観察力と技術力は本物。
戦闘特徴:発明品・機械装置を駆使して戦場をコントロール。ドローンや特殊兵装で仲間を支援する参謀。
セリーヌ・ハートマン
所属:MI6 若手エージェント
年齢:20代半ば
外見:栗色の髪をポニーテールにまとめ、緑の瞳を輝かせる。戦闘スーツ姿で凛々しい。
性格:真面目で情熱的。仲間を守る意思が強く、行動は直感的だが正確。
戦闘特徴:ドライビングテクニックに優れ、戦闘支援のスペシャリスト。狙撃や小火器の扱いも得意で、チームの切り込み役。
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瓦礫を飛び越えながら黒いSUVが灰色の街を疾走する。
運転席でポニーテールの若きエージェントがセリーヌがハンドルを握る。緑の瞳は真剣そのもの、戦闘スーツに包まれた肩は緊張で固い。
「エネルギー反応、急速に拡大中……! この数値、人間の科学では説明できない!」
焦りを含んだ声が車内を震わせる。
後部座席では小柄な痩せた男 ジャスパーが工具入りバッグを膝に乗せ、無数の計器を操作していた。眼鏡の奥の隈は濃く、しかしにやけ顔は自信に満ちている。
「ふふ……いいぞ、未知の波動だ。こういう時こそ俺の“吸引式人間キャッチャー”の出番だ!」
バッグの中から奇妙な装置を取り出し、誇らしげに掲げた。
その隣。
背もたれに深く腰を下ろし、赤い瞳を細めた男が一人。
ワインレッドのマントの裾が微かに揺れ、白髪の混じった髪が窓の光を反射する。貴族のような装飾を纏いながらも、片手に握った銃は無駄のない動きで装填されていく。
「……波動の発生源は都市中心部だ。人間か、あるいは……異界の残滓か。」
低く呟き、肌の乾きを気にしてポケットの保湿クリームをさりげなく確かめた。
彼こそが魔族サターンの血を引く諜報員、MI6対異能特務課所属アイゼンハワード・ベルデ・シュトラウス。
471歳。だがその表情には「おっさん」としての疲れと、戦場を渡り歩いてきた老練の風格が宿っていた。
灰色の街にて
SUVが停止した瞬間、紫の光の裂け目から何かが這い出てきた。
鋼鉄のような甲殻に覆われた四脚の巨獣。赤黒い体液を滴らせながら、咆哮一つで周囲の建物を粉砕する。
ゼリーヌが息を呑む。
「……こんなの、記録にない。完全な未知の存在よ!」
ジャスパーが眼鏡を押し上げ、にやりと笑った。
「コードを与えようじゃないか。《ゴースト・ビースト01》……どうだ、悪くないだろ?」
アジゼンハワードは一歩前に進み、銃口をゆっくりと巨獣に向ける。
赤い瞳に宿るのは冷酷な光。
「……名付ける暇があれば、仕留めろ。」
風が吹き荒れ、灰色の都市に咆哮と銃声が重なった。
MI6チーム《ブラック・リザレクション》の最初の戦いが、今始まる。




