表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結【51万8千PV突破 】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:魔導列車殺人事件 〜列車内で消えた凶器〜』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

566/1254

第1話 霧の中の旅立ち

挿絵(By みてみん)

霧が谷間を覆い、列車の金属が朝日に淡く反射する。


魔導鉄道《レム=エクスプレス》人間界と魔界を結ぶ夢の鉄道。その開通式に招かれたアイゼンハワードは、赤い瞳を細め、ワインレッドのマントを羽織りながら階段を上った。


「アルおじ、この列車……妙に静かすぎるね」

カズヤは、大人の落ち着きを保ちながらも、直感で霧の中の列車の異質さを感じ取っていた。


「気にするな、カズヤ。だが確かに……何かが待っている気配はするな」

アイゼンは微笑み、赤い瞳で霧の奥を見透かすように光らせた。


列車の扉が重厚な音を立てて開くと、豪華な内装と魔法の光が迎えた。浮遊するランプが天井を照らし、空中には小さな魔法の蝶が舞う。空気には微かに魔力の香りが混じり、未知への期待と、何か不穏な気配が漂っていた。


階段を上った二人の前に、既に他の乗客たちが集まっていた。


フジワラ(Misaki Fujiwara)

 富豪令嬢。華やかだが観察眼が鋭く、冷静に周囲を見ている。


キタムラ(Seiichi Kitamura)

 列車の車掌。真面目で几帳面だが、微妙な動揺を見せることも。


タカハシ(Yuto Takahashi)

 人間界の研究者。口が軽く、些細な情報でも漏らす。


サエキ(Ayano Saeki)

 謎めいた女性。静かで感情を読み取りにくく、存在感は淡い。


ハセガワ(Hayate Hasegawa)

 冒険家。明るく陽気だが、秘密を抱えている様子。


オノデラ(Rei Onodera)

 魔界知識研究者。冷静沈着で感情を表に出さない。


マツイ(Chinatsu Matsui)

 芸術家。社交的で観察眼が鋭く、他人の心理を読むのが得意。


ワタナベ(Takashi Watanabe)

 財団関係者。権力志向で計算高く、情報収集を目的としている。


イトウ(Ken Ito)

 元軍人。寡黙で鋭い目つき。危険察知能力が高い。



列車内スタッフ(ウェイター・ウェイトレス)

オチアイ(Tooru Ochiai)

 コック。明るく親しみやすいが、少し陰のある表情を見せる。


ササキ(Tsubasa Sasaki)

若手ウェイター。少しおどおどしているが真面目。


タカダ(Mari Takada)

ベテランウェイトレス。表情に余裕があり、すべてを見透かすような目つき。


列車が静かに動き出す。最初は穏やかだった霧が、やがて濃くなり、光の輪郭を曖昧にし始めた。


「アルおじ、霧が濃くなってる……魔界結界の影響かな」

「その可能性は高い。この列車は、人間界と魔界の境界を通過している……油断は禁物だ」


初日の夜。列車は通常通りの進行だが、カズヤは微かな違和感を覚えた。

窓の外の霧が、まるで意志を持つかのように揺らぎ、時間の感覚さえ歪める。列車全体が、現実と幻想の狭間を静かに走っているようだった。


「アルおじ……なんだか、ただならぬ気配がする」

「……ああ、カズヤ。何かが、この列車に潜んでいる」


霧に包まれ、闇と光が混ざる《レム=エクスプレス》。

乗客たちの秘密も、幻覚も、そしてまだ誰も気づいていない“事件の予兆”も、すべて、この夜の旅路に巻き込まれようとしていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ