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完結【51万8千PV突破 】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:ミステリアスツアー殺人事件』

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第9話 砂嵐の決戦

砂漠の夜を切り裂く轟音。


アレクシス財団の実験場は警報で真紅に染まり、砂嵐が砦のような高壁を叩き続けていた。


「侵入者確認! 殲滅せよ!」

異能兵士たちが解き放たれる。炎を纏った腕、雷を弾く体、地を裂く怪力。

地獄の軍勢が、砂嵐の中を揺らめく影となって迫る。


「制御室を落とせば防衛システムは無力化できる!」

ジャスパーの声が無線から響く。


アイゼンは銃を連射し、敵の巨漢兵士を砂に沈める。

背中合わせにリディアが刃を振るい、砂塵の中で閃光を刻む。

「数が減らない……!」


彼女の声に、セリーヌの狙撃が援護のように響いた。

「心配いらない、進みなさい!」


銃声と爆発の轟きが砂嵐に混じり、闘争はさらに苛烈さを増す。


ジャスパーの声が無線に響く。

「中央制御室を落とせば、この施設の防衛システムは崩壊する! 行け、アイゼン!」


「わかってる!」

アイゼンは重装兵の一撃をかわし、銃を撃ち込む。火花が散り、巨体が崩れ落ちた。


後方の高台では、セリーヌのライフルが砂嵐を切り裂く。

一発ごとに敵の頭部が砕け、味方の退路が守られる。

「数が多すぎる! でも撃ち続けるわ!」


リディアは背中合わせに立ち、鋭いナイフ捌きで敵を切り裂く。

「制御室に近づくしかない!」


制御室突入

爆風と閃光を抜けて、二人は鉄扉を蹴破った。

そこは無数のモニターが並ぶ中央制御室。

幾人もの科学者と武装兵が待ち構えていた。


「この世の新秩序はアレクシス財団から始まる!」

狂信的な声が響く。


アイゼンは机を蹴飛ばし、銃を乱射。

リディアは機械アームを操る兵士を一閃し、火花を散らせる。


ジャスパーがシステムに侵入。

「30秒稼げ! シールドを落とす!」


その30秒は地獄だった。

銃弾が雨のように飛び交い、爆発が壁を穿ち、敵の異能兵器が制御室ごと吹き飛ばそうとする。


火花と血潮を超えて二人が辿り着いたのは、モニターが壁一面に並ぶ中央制御室。無数のオペレーターが慌ただしく操作を続け、武装兵が待ち構える。


「止めろ! これ以上近づけるな!」


アイゼンが銃を乱射し、リディアが兵士の背後から喉を裂く。

ジャスパーの指先がノートPCを叩き、システムを侵食していく。

「あと少しで防御シールドを外せる……! 耐えてくれ!」


時間はわずか数十秒。しかしその一瞬が、永遠に思えるほど長かった。

敵の異能兵器が制御室ごと吹き飛ばさんと暴れるたび、壁が崩れ、砂が吹き込み、炎が巻き上がる。


「もうすぐだ! 制御完了!」

ジャスパーの声と同時に、実験場全体を覆うバリアが崩れ、外の砂嵐がなだれ込む。


轟音とともに設備が爆発を始める。

赤い警報灯が消え、モニターが一斉にブラックアウト。


リディアは汗に濡れた額を拭い、アイゼンを見た。

「……ここまで来たわね」


アイゼンは息を荒げながら銃を握り直す。

「だが終わっちゃいない。最後のボスがまだ残っている」


その瞬間、奥の隔壁がゆっくりと開いた。

中からは異様な圧力と共に、冷たい気配が流れ出す。


闇の奥に現れたのは

財団の真の支配者、世界を戦争へ導こうとする黒幕の影。


アイゼンとリディアは同時に銃を構えた。

砂嵐がうねり、炎が舞う。

運命の最終戦、その幕が上がろうとしていた。



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