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【ランキング12位達成】 累計56万2千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:ミステリアスツアー殺人事件』

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第2話 濡れ衣の魔族

モスクワ・クレムリンの大爆発は、世界を震撼させた。


炎と煙の映像は瞬く間にニュースで流され、その中で、赤い瞳を持つ魔族の姿が、はっきりと映し出されていた。


「これは……私か? いや、これは偶然写っただけだろう!」


アイゼンハワードは頭を抱え、ホテルの一室でニュースを見つめる。

だが報道は冷酷だった。


“クレムリン爆破犯はMI6の魔族エージェント”

そう断定するかのような論調で繰り返される。


イギリス本国。

政府は「MI6の関与を全面否定」と発表し、同時に極秘裏に“ゴースト・プロトコル”を発令。


MI6の存在そのものを“なかったこと”にし、アイゼンハワードには「懲戒免職」の命令が届いた。


冷たい一枚の文書。


そこに書かれた署名は、かつての仲間である上官のもの。


アイゼンハワードはしばし黙り込み、手にした書類を見下ろす。

「……わたしは爆破しとらんのに……また濡れ衣か」


重いため息がこぼれた。

彼は過去を思い出す。

魔界でも人間界でも、何度となく「厄介ごとに巻き込まれ」「疑いをかけられ」「損な役回り」を押し付けられてきた日々。

それでも耐えてきた。優雅を装い、笑顔でごまかし、時に皮肉を飛ばしながら。


だが今回は違う。

国家は彼を切り捨て、存在そのものを抹消しようとしている。


「……やれやれ、471年も生きてきて……最後は“無職のおっさん”に戻るとはな」

 口元に皮肉な笑みを浮かべ、アイゼンハワードはマントを羽織り直す。


背後では、燃え落ちるクレムリンの赤光が窓に映っていた。

その光は、彼が背負わされた“濡れ衣”の重さを象徴しているように見えた。


捨てられた魔族のおっさん。

だが、彼はまだ終わっていなかった。


「爆破犯? 結構。ならば証明してみせよう……この老いぼれが、まだ踊れるということをな」


赤い瞳が闇に燃え、戦いの幕が上がる。



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