表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ランキング12位達成】 累計53万7千PV運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『カズヤと魔族のおっさんの事件簿:オルゴールは死を奏でる』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

537/1299

第8話 港からの脱出と裏口からの侵入

激しい銃声が倉庫の壁に響き渡る。

アイゼンハワードは遮蔽物を駆使しながらリディアと背中を預け、追手の傭兵たちと交戦していた。


火花が散り、鉄の匂いが鼻をつく。

物陰に隠れながら


「ここで分かれましょう!」


リディアの低い声が響く。彼女は鋭い眼差しでアイゼンに告げる。


「裏手に小さなボートが隠してある。そこから逃げなさい。私はここで足止めをする」


「これが、ヴェールの資金解除コードよ」

リディアが不正金の解除コードのメモ用紙を渡した。


アイゼンは一瞬戸惑うが、即座に頷いた。


「すまんな。リディア……」


リディアは一歩前に踏み出し、狙撃手の銃弾をかわしながら続ける。


「ここで死ぬわけにはいかない。任務は続くでしょう。逃げて!」


アイゼンは拳を握りしめ、胸の中で誓う。


「必ず生き延びて、真実を掴む」


銃撃の嵐の中、リディアは薄暗い影の中へと姿を消した。

アイゼンは急いでリディアの言った裏手の出口へ向かい、隠された小型ボートを見つける。


エンジンをかけ、暗い水面を滑るように離岸する。


港の灯りが遠ざかる中、アイゼンは振り返らずただ前を見据えた。


「……必ずカジノロワイヤルの真実を暴く」


冷たい夜風が頬を撫で、闇の中へと彼を導いていった。




夜の闇に溶け込むように、アイゼンハワードはカジノの裏手にある従業員入口へと静かに忍び寄った。

鉄の扉の前には一人の警備員が立っている。


彼の目は疲れているのか、わずかにまぶたが重そうだった。


アイゼンハワードは音を立てないようゆっくりと手を伸ばし、魔法詠唱をする。


深く息を吸い込み、静かに指を弾いた。


「永遠の眠りよ、心を包め《ナイトメア》」


指先から青い蒼炎のような魔力が静かに放たれ、警備員の胸元を優しく包み込んだ。


その瞬間、警備員の目が大きく見開き、次の瞬間にはゆっくりとまぶたが閉じられた。


まるで深い夢の中へと沈み込むかのように、その場に倒れ込む。


アイゼンハワードは音を立てぬよう扉を押し開け、闇の中へと滑り込んだ。

彼の冷静な視線は先にある闘いを見据えていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ