第16話 国境前線要塞 ―大乱戦の開幕
風が変わった。
雷鳴が止み、空から降るは百万の魔族援軍
そして、その先頭に立つ魔界の王、ダイ・マオウの咆哮。
「この地を穢す愚者どもよ。今こそ示そう我らが“正しき怒り”を!!」
士気、爆上がりッ!!
その声を聞いた瞬間、崩れかけていた魔界防衛軍に戦火の命が戻る。
魔界将軍「ダ、ダイ・マオウ様……!? まさか、ご降臨とはッ……!!」
兵士A「うおおおおおぉぉぉぉ!! 俺たちの王が戻ってきたぞぉぉぉぉ!!」
兵士B「ふっかああつゥゥ!! 気合入れろォォ!!」
数で勝る傭兵団の侵攻が一瞬止まる。
“何かが変わった”――空気そのものが敵を怯ませた。
そこへ。さらなる奇跡。
次世代、爆誕ッ!!
ザザッ……!
空間が揺れ、各地から次々と伝説の血を継ぐ新世代の戦士たちが、次々と到着する!
ウルウル(狼女)
獣耳にレザーアーマー、毛皮のマントをなびかせる美しき獣戦士。
「この匂い……懐かしいな。
血と火薬と……“勝利”の匂いだワン♥」
背後の騎馬部隊が突撃するが
シュン!
その姿が一瞬で消え
ザシュッ!
残像を残して、敵の首がスパッと飛ぶ!!
スティル「なにあれ!? 速ッ!!」
ノルド「“あれ”が……ウルウル族の真打ちか!」
シラユキ(ユキネの子孫)
純白の着物に身を包んだ氷の巫女。浮かぶ氷華が舞うたびに、空気が凍る。
「……邪なる炎よ、凍りつきなさい」
巨大な火球魔法を打ち込んでくる傭兵術師たちを、
氷の龍が一閃で撃ち落とす。
敵兵「な……なんでこんな寒いんだ……!? ぎゃあああ!! 凍る、凍るッ!!」
チル・スポット(ダル・ツライの子孫)
自堕落に見えるパーカー姿の少年。肩に乗せた猫を撫でながら
「うわ~マジやる気出ねぇ。でも……ま、ちゃちゃっと片づけるか」
次の瞬間、地面から“影”が伸び、敵部隊を丸ごと飲み込む!
兵士たち「ひ、引きずり込まれる……影が……ぬ、ぬけねぇぇええッ!!」
ナンバ・グランド(ナンバ・ラッカの子孫)
巨大な“招き猫キャノン”を背負った、機械技師少女。
「戦場は数と運だって、じーちゃんが言ってた!」
カシャン! とスロットを引き――
777ジャックポット!!
→ 大爆発
→ 敵300名ふっとぶ
スティル「な、なんやあのギャンブル兵器!!!」
ノルド「逆に味方に当たったらどうすんのよ!?」
アイリス・オオオヤマ(ダイソン・サイクロンの子孫)
両手に超吸引戦斧を持った怪力女騎士。
「掃除の時間よォォ!!!」
斧を回転させ、吸引竜巻で敵部隊を一掃!
騎兵まるごと吸い込まれ、空へ舞い上がっていく!
「クリーン! クリーン! クリーンマァァァックス!!」
トランス・ジェンダー(バイシャル&セクシャルの子孫)
虹色のオーラをまとった美しき筋肉大天使。
「枠に囚われるな。己を解き放て! それが、戦う意味!」
その一撃は、物理でも魔法でもない、“心を抉る”攻撃。
敵兵の戦意が次々と瓦解していく。
「う……なんか……この人に斬られると泣きたくなるッ……!!」
「すまん、俺……悪かった……ッ!!」
新世代の登場により、戦況は完全に逆転!
敵の魔法砲陣が突破され、中央突破部隊が壊滅。
上空では魔界雷撃師団が雷を落とし、地上ではアイゼンハワードの魔剣が閃く
そして
ギィィンッ!
斬撃の嵐を抜け、敵将をなぎ倒しながら、
アイゼンハワードはひとり、瓦礫の上へと跳び上がる。
その先に
“影”が立っていた。
仮面。曲刀。漆黒のマント。
「……会いに来たか、秩序の剣よ」
黒牙のヴォルゼア
「……お前の“秩序”に、未来はない」
「ふふ……ならば証明してみろ。お前が“希望の剣”ならばな……!」
風が止まる。
世界がふたりの男の間で止まったかのように静まり返る。
そして、次の瞬間。
最終決戦の幕が、上がる!!




