第4話 ゾンビ投資信託と悪魔のクーポン戦争
すべては、さっちゃんのひと言から始まった。
「ゾンビって……死なないじゃん?なら、利息一生払ってくれるんじゃね?」
「おい、それって……最強の金融商品なんじゃ……?」
「そう!名付けて。不死債!!」
アルはその場で血を吐いた。
「ビジネスという名の永遠の地獄が、またひとつ開かれた……!」
不死身の投資家、大集合
「ゾンビ債、年利3%! でも一生ね! てか死なないからマジで永遠!」
魔界の路上でマイクを握るさっちゃんの声に、腐臭と共にゾンビたちが群がった。
「ウオオオ……利息……ウオオオ……」
「投資……好き……オエエエ……」
そんな彼らの管理を担当するため、新たな仲間が入社した。
ゾンビ秘書(本名:ルミラ・カデヴァ)
種族:ゾンビ・アンド・ちょい吸血鬼
見た目:グラマラス美人(首が180度回る)
特技:印鑑を瞬時に押す、増殖
服装:ゾンビに見えない「秘書コレ2025」黒スーツ。なぜか香水はバニラ系。
台詞:「報告書、出しました。ついでに部下もゾンビ化しました」
彼女のあまりの仕事っぷりに、アルも思わずうなった。
「……デキる女だ。冷静で、正確で、肌色がやや灰色なだけだ……」
「それもう、ゾンビやん!!」
しかもこのルミラ、空き時間で勝手に近所の魔物たちをゾンビ化して「顧客」へと変えていくという、とんでもない営業能力を持っていた。
だが、順調なときほど敵は現れる。
「価格崩壊を起こしてやるわ……我が社こそ、魔界唯一の“ワン魔貨クーポン地獄”」
現れたのは、HELLmazonCEO・ヘルミショネンズ。
頭にレジ袋を巻いたようなファッションと、光るカリスマ性で魔界の流通を牛耳る魔女社長だ。
「……正直、あの服センスないよな……」
「お前が言うな。甘党特攻ジャケットに“いちご爆裂マフラー”巻いてるくせに」
クーポン戦争が勃発。魔界中のチラシが魔風に舞う中、アルは静かに動いた。
「契約書の裏面に“記憶消去の呪文”を仕込んでおいた……あとは、彼女がサインすれば……」
結果、ヘルミショネンズは
「えっ……ワタシ……なんで……クーポン1000枚も印刷してたんでしたっけ?」
と記憶をなくし、ビジネス撤退。
さっちゃんはにやりと笑い、ルミラはゾンビ化対象リストを更新し、アルは今日も悔い改めた。
魔界で一躍ゾゾンビ債が話題に!
新聞の一面にはこう載った。
「魔界の起業家、アル社長がゾンビ金融で市場を征服!魔界ウォール・ヘル・ジャーナル」
ネットの声
「ゾンビ債欲しいけど、そもそも俺、生きてるから無理だったw」
「ルミラちゃん推し」
「ゾンビになって脳みそ腐る。魔界、ほんと終わってんな」
初月売上:1500万金貨達成!借金を無事にメフィスト夫人へと返した。
今回の名言
「信用とは、“この人、ヤバいけど返すんだよな……”と思わせた時点で勝ちよ!」byメフィスト夫人




