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【ランキング12位達成】 累計55万9千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『アイゼンハワードの魔族のおっさんはつらいよ』

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第7話 血塗れの再戦

教会の奥に、硝煙と血の匂いが満ちる。

その中央、カナンとアイゼンハワードが対峙していた。


「……悪いね、アルおじ」

風に舞う髪、涙を流しながらも銃剣を構えるカナン。

「……あたしは……死んだ仲間のために、やらなきゃいけないだわ」


その瞬間、空気が震えた。


カナンの足が地を蹴り、彼女の背後から霊力が奔流となって噴き上がる。

宙を舞い、棺剣を展開――棺の蓋が開き、内蔵された墓石弾が煌めいた。


切り裂かれるのは、剣か、想いか、それとも心か。

爆風の中、煙を裂いて二人の影が交錯した。


ギィィン!!


交差する刃が火花を散らす。

重力を無視したように空間を跳躍し、壁を蹴り、地を滑る。


「来いよ、カナンッ!!」


「アンタこそ……本気で来なッ!!」


その瞬間、世界が斬撃の奔流に包まれた。


アイゼンハワードの双刃魔剣ギロティーナが唸り、魂の炎を纏った斬撃がカナンを襲う。

一方、カナンは回転しながら空中で棺剣を開き、霊子弾を撒き散らしながら槍撃のような連続斬りを繰り出す。


「《斬魂・三断葬》!」

「《棺葬・逆墜ノ式》!!」


斬撃、霊弾、爆風、跳躍――

一合、二合、十合……すでに互いの身体には、幾重もの裂傷が刻まれていた。


だが、止まらない。

それぞれが、過去と罪と誓いを背負っているから。


「あたしは──もう、戻れない!!」


カナンが棺剣を逆手に持ち、ギロティーナを叩き折るように振るう。

アイゼンハワードは半歩踏み込み、腹部に一閃を叩き込む。


バシュッ!!


鮮血が飛び散る。

どちらのものか、もはや分からない。


次の瞬間、ふたりは同時に跳んだ。


「《鎮魂斉唱・十連礼打》ッ!!」


「《魂喰い・終ノ型、斬界》!!」


霊弾が咆哮し、空を切り裂く。

双刃が空間を断ち、すべての音が爆音と悲鳴にかき消された。


バキィン!!


爆裂の中心、二人の身体が斜めに切り裂かれ、同時に崩れ落ちた。


どちらも、倒れる。


地面が大きく抉れ、魔力の残滓が紫電となって周囲を吹き飛ばす。

生き残った者たちが恐怖に口をつぐみ、遠くからその場を見つめる中――


ゆっくりと、ひとつの影が立ち上がった。


アイゼンハワードだった。


その体は、血と煤にまみれ、鎧の隙間から煙が立ち上る。

右腕は砕け、ギロティーナの片刃も折れている。


それでも、彼は剣を突き立てて立ち、前を見ていた。


倒れたカナンの元へと、ふらつく足で歩み寄る。


「……よく、やったな」


カナンはかすかに笑った。

その瞳には、怒りではなく、どこか救われたような色が灯っていた。


「……やっと……あたし……戦い終わった、かな」


アイゼンハワードは無言でうなずき、彼女の棺剣を閉じてやる。


魂の叫びと祈りが、静かに空へと溶けていった。


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