第2話 村人から村長へ ~俺の未来、○○確定!?~
俺の名前はリスク。
勇者アルベルトのパーティーに所属している、どこにでもいるただの村人。
火の玉も出せなければ、剣もロクに振れない。
スライムにすら負けたことがある。そんな俺だ。
が!ある日突然、転機が訪れた。
目の前にキラキラと光るウィンドウが表示されたのだ!
「レベルアップしました。クラスチェンジが可能です:村人 → 村長」
……村長!?
選択肢は「はい」と「いいえ」。
いやいや、勇者パーティーの一員として、今こそ俺は成長するチャンスなんじゃねーの!?
悩む間もなく、俺は即決で「はい」を選んだ。
すると!
ゴワァァァアァァアァン!!
全身から眩しい光が吹き出し、気づけば俺の頭はツルツルになっていた。
視力は激減、腰はくの字に曲がってるし、手は震えてる!?
えっちょっ、待って、これ完全におじいちゃんじゃん!?!?
「ちょっとまってくれーーー!!あきらかに弱くなってませんか俺!!?」
思わず叫んだ俺に、またウィンドウがポンッと浮かび上がる。
「クラスチェンジはいつでも可能です」
「じゃあキャンセル!キャンセル!キャンセェェェェェェル!!」
フサフサと髪の毛が元に戻り、俺は元の村人姿に戻った。よかった……。
村長にクラスチェンジ!って唱えると、また村長になれるらしい。
ちょっと気になって、もう一度やってみた。
「村長にクラスチェンジ!」
\ピカーン!/またハゲた。
横にいたシスターマリアが一言――
「リスクさんの50年後って、こんな感じなんですね」
俺はハゲ確定の未来に、心から絶望した。ハゲまして。
でも、せっかくだから村長のステータスを見せてもらう。
シスターマリアが俺に聖なる魔法をかける。
「聖なる光がリスクを記すステータス!」
空中に、俺の現在のステータスが浮かび上がった。
―――――――――
名前:リスク(村長)
レベル:26
体力:24
攻撃:5
防御:2
素早さ:1
魔力:1
賢さ:245
運:265
※この世界で、最も弱いスライムに負けた男。
称号:必殺の仕事人 リスク
固定スキル
・ゼロの能力者(現在無効)
・村を作る(NEW!)
―――――――――
「うん、なんか村長っぽいステータス。だが相変わらず賢さと運だけやたら高ぇ」
そして、シスターマリアが「村を作る」の説明をしてくれた。
村長スキル『村を作る』の内容
①村名設定
→ 自由に村の名前を決められる(「リスク村」「アホロートル村」など)
②初期施設(3つまで選択)
畑小屋:食料を生産。住民の満足度アップ!
木工小屋:建材を確保。建築スピードがぐんと上昇!
見張り台:敵の襲撃を早期に察知!
宿屋(簡易):プレイヤーが休める拠点(体力/マジックの回復)
交易所(簡易):アイテム売買OK!
③村民募集
→ 「説得」や「徴兵」で住民をスカウトできる。
住民の職業次第で、村の方向性がガラッと変わるぞ!
④村のステータス管理
繁栄度:住民の数や満足度で上昇!
防衛力:魔物や盗賊から守れる!
名声値:交流・イベントに影響!
⑤イベント連動
→ 四季イベントが発生!
「収穫祭」や「火災」「疫病」などの対策に追われる本格運営型!
……めっちゃおもしろそうじゃん、これ。
けど今は、目の前の魔王を倒さなきゃいけない。
倒した、その後はうん、俺、村長として生きるわ。
「村長をキャンセル!」
フサフサと髪の毛が元に戻り、俺はまた村人に戻った。
そして俺は決意した。
魔王を倒したら、セカンドライフは“村長”として生きていく!
俺の未来はハゲてるかもしれないけど、新しい村はきっと、フサフサの希望であふれている!! はず....