表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ランキング12位達成】 累計54万9千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『アイゼンハワードの魔族のおっさんはつらいよ』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

444/1330

第15話 ラストエンペラーの玉座

不夜城

その最奥にそびえる黒王の玉座。


玉座の間は天を覆うほど高く、燃えるような黒炎の燭台が無数に揺れていた。かつて栄華を極めた帝国の残響が、石柱の装飾のひとつひとつに刻まれている。


その中心。

重厚な玉座にふんぞり返るのは、ラストエンペラー・愛新覚羅あいしんかくら。その傍ら、舞を終えた花のように艶やかに佇むのは、永遠の美女、楊貴妃ようきひ


玉座の扉を、足音が響かせながら4人の影が歩み寄る。


アイゼンハワード(血塗られた伯爵)。

ダイマオウ(任侠と破壊の主役)。

アイリス・オオオヤマ(天才科学者 支援型の高性能武器所有)。

トランスジェンダー(回復系マッチョ大天使)。


静寂の中、ラストエンペラーが口を開いた。


挿絵(By みてみん)


「……フッ、久しいな、アイゼンハワード。いや、“英雄殿”とでも呼ぶべきか?」


その声は怒気に満ちていない。だが、内奥には凍てついた恨みが渦巻いていた。


「かつて我を“深淵”へ封じ、帝国の輝きを閉ざしたくせに、今さら人の平和を語るか。お前の剣が奪ったものを、貴様は覚えてもいまい」


アイゼンは眉を寄せた。が、その隣で楊貴妃が艶然と笑う。


挿絵(By みてみん)


「ふふ……あなた、本当に変わらないわね。見なかったくせに。私を。あの夜、あなたが振り返り、私の手を取っていたら……私は、復讐鬼にはならなかった。」


彼女の視線は、まっすぐにアイゼンハワードだけを刺している。

そう、彼女の憎しみは全てアイゼンハワードその人に向けられていた。


「あなたは私を……利用するだけ利用して、捨てたのよ。あなたの使命とやらのために。私の心も、未来も。」


玉座の炎が揺らめく。


アイリス・オオオヤマは沈黙を破る。


「こんなにも呪いに満ちた空間、片付けるには少し手間がかかりそうね。」


「オレはただ、悪党に鉄拳をくれてやるだけだ」

と、ダイマオウは拳を鳴らす。


その傍ら、トランスジェンダーが腕を広げる。


「やれやれ、愛も怨念も、心が壊れそうな夜ねぇ……でも任せな、癒しの筋肉パワー、全開でいくよ♡」


アイゼンハワードが魔剣(ギロティーナを低く構えた

「まったく逆恨みってやつじゃのう」



その瞬間


ラストエンペラーが玉座より立ち上がる。


「来るがよい、愚かなる者たちよ。我が帝の威光を、その魂で証明せよ!」


同時に、楊貴妃の体が黒い蝶に変じ、舞うように戦闘態勢へと移行する。


不夜城の黒王の玉座。最後の決戦が、いま始まる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ