第6話 伝説魔獣《魔青龍》現界す ―空域アルティマ決戦―
【迎撃メンバー】
ダイ・マオウ
役割:先鋒突撃/耐久・破壊・風圧打ち消し担当
風属性の龍に真っ向勝負を挑む“風殺しの暴君”。竜巻や真空刃も「気合い」と「拳」でねじ伏せる豪腕。硬質な鱗すら“物理で粉砕”する、対青龍戦の突破力そのもの。突進力と咆哮で敵の注意を一身に集め、仲間の攻撃チャンスを創出。
「風がどうしたァ! この拳で空ごとぶっ潰してやんよォッ!!」
アイゼンハワード
役割:前衛/斬撃・対風術対応・総指揮
青龍の嵐のような広範囲攻撃を“受けきる”勇気と、“切り裂く”技術の両立者。敵の動きや風の流れを剣で“読む”天性の勘を持ち、仲間に指示を飛ばしながら自ら突破口を開く。
「風は刻を裂き、爪は天を穿つ。ならば、俺がそれを断ち切る」
助っ人 チル・スポット(ダル・ツライの子孫)
役割:後衛/狙撃・情報収集・弱点解析・誘導射撃
魔青龍の“風の軌道”を瞬時に計算。飛翔ルート・攻撃の予兆を仲間に伝える戦術支援の要。狙撃技術はもちろん、風圧を無効化する特注ライフルを用い、急所限定の一点突破型攻撃を仕掛ける。常に冷静だが、内心では仲間の命を誰よりも気にしている。
「空を支配してる気でいるのか? なら、地面に引きずり下ろしてやるよ。なァ、青い竜王」
【戦闘開始】
舞台は魔界東方・空域アルティマ。天空を突き破る稲妻の柱とともに、“魔青龍”がその巨体を現した。
全長300メートル、鱗は雷雲のように帯電し、ひげは風を裂く稲妻のようにうねる。
「《雷嵐廻天らいらんかいてん》ッ!!」
魔青龍がひとたび咆哮すれば、周囲には瞬く間に多重竜巻が発生。アイゼンハワードたちは次々と空へと吸い上げられていく!
巨大な双翼を広げ、全身に青白い稲妻を纏い、鳴動と共に天を翔ける蒼き破壊神。
「グオオオオオアアァッ!!」
咆哮とともに巻き起こる超高圧の竜巻が、アルティマの空をえぐる!
風速百五十メートルを超える竜風は、周囲の浮遊島をいとも簡単に粉砕していく。
続けざまに、龍の爪先が天を穿つと
黒雲が裂け、大豪雨が降り注ぐ! 空域に一瞬で洪水が発生する異常気象!
雷と嵐の神そのものが、魔青龍だった!
「クソッタレ!風圧が身体ごと持っていきやがる……!」
暴風のなかで空中に張り出した瓦礫を足場に跳ねるダイ・マオウ。だが、青龍の尻尾一閃が空間を切り裂き、吹き飛ばされる。
「ぐあッ!? …チッ、こいつ、空戦仕様かよ!」
「……風と雷か。あのひげ、帯電しているな。やはりあそこが弱点か」
アイゼンは鋼糸を放ち、周囲に展開。青龍の動きを読んで風向きと電気の流れを計算する。
「チル、耳を貸せ。《スパーク・ウェイ》の回転角度に乗じて、頭部を狙撃してくれ。マオウ、次の足場を照準して飛ばす」
「なるほどね、ひげを撃てって?まるで料理番組の下処理みたいだな。了解。…ああ、言っとくけど、俺、ひげラーメンって趣味じゃないからな」
チルは風の中を読み切り、ライフルを構える。
パンッ!!
弾丸が稲妻のようなひげの根本を貫き、そこから電気が逆流し、青龍の全身がビリビリと硬直する!
「今だッ!マオウ!!」
「よおおおし!!くらいやがれッ!!」
ダイ・マオウが青龍の硬直した頭部に跳びかかり、奥義《獄嵐乱牙ごくらんらんが》を叩き込む。拳と蹴りの連撃が青龍の巨大な角をへし折る!
「うおおおおおッ!!!」
龍の瞳から光が消え、崩れるように大空から墜ちていく魔青龍。
青龍が空を裂くような絶叫をあげると、そのまま嵐は消え、空域は晴れていった。
戦後、ダイ・マオウは落ちた“魔青龍ひげ”を手にこう言った。
「このひげ、炙ったら香ばしくなるんじゃねぇか?」
「おいおい、調理する気かよ!?…いや、案外うまそうだな」
アイゼンは黙って携帯コンロをセットする。
雷の残滓を含む龍髭を炙って細切れにし、魔界産玉子と天界醤油で煮込む。ダル・ツライ直伝、“魔青竜髭焦がし醤油ラーメン”の完成!
「うわ……スープに稲妻が走るッ!」
「喉にビリっとくるこの刺激、やみつきかも」
「……やっぱりバトルのあとのラーメンは格別だな」
青龍も食えば、ただの食材
戦ったあとは、旨味で語れ!




