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【ランキング12位達成】 累計52万6千PV運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『アイゼンハワードの過去編 ―魔界の貴族編』

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第7話 そして開かれる亜空間《アビスゲート》

高慢で冷酷。堕天使アザリエルが現れた。


挿絵(By みてみん)


―――――――――

名前:アザリエル(黒魔術師)


レベル:70

体力:9000

攻撃:820

防御:999

素早さ:999

魔力:2800

賢さ:800

運:1


この世界でかつて天界に属していたが、人間を軽視するあまり堕ちた存在。巨大な翼と闇の魔力を持つ。

別名: 堕天使アザリエル

―――――――――


廃駅跡の空間は、まるで時間が止まったかのような静寂に包まれていた。

その中心に立つのは、復活を遂げた堕天使─ザリエル。

巨大な黒き翼がゆっくりと広がり、羽ばたくたびに空気が揺れ、光が歪む。


「お前たちは知らぬ。人間がどれほど醜く、愚かで、傲慢かを…」


レイラとアイゼンハワードは、冷たい汗を額に滲ませながらその姿を見据える。


「だが、罰を受ける時が来た。この翼は神の恩寵に非ず……滅びの証だ」


アザリエルが天を指差す。


「《堕天裂光だてんれっこう)》」


ゴウッ!!


その瞬間、黒い翼が地鳴りのように羽ばたき、背後に光の剣が顕現。

斬撃の軌道は、重力を無視して空間そのものを断ち切る。


「来るぞッ、伏せろレイラ!」


アイゼンハワードが叫んだ瞬間、床が一瞬にして真っ二つに裂ける。

剣の風圧だけで、レイラの肩が切り裂かれ、鮮血が飛び散った。


「くっ……!! あの一撃、直撃していたら……」


レイラが歯を食いしばる。


だがアザリエルは歩みを止めない。

その手のひらに爪を立て、自らの血を滲ませた。


「我が血を捧げ、貴様の魂を蝕む」


「《血涙の契約けつるいのけいやく》!」


漆黒の魔法陣が空中に浮かび、そこから糸のような呪詛がレイラを襲う。

彼女の身体が一瞬で硬直し、目の奥に赤黒い光が差し込んだ。


「く……ああああッ! 」


「やめろッ!」


アイゼンハワードが魔槍を振り下ろすが、アザリエルは指一本で防ぐ。

闇の魔力が一気に逆流し、アイゼンハワードは吹き飛ばされる。


「正義とは誰が決めた?神か? 貴様らか? 笑わせる…」


アザリエルは足元に円を描くように指を滑らせた。

そこから浮かび上がる黒き魔方陣。


「問われるべきは、己自身」


「《黒き審神者(くろきさにわ)》、出でよ!」


地面から這い出したのは、影のようにうごめく黒き使徒。

それはアイゼンハワードの影に溶け込むと、彼の動きを鈍らせていった。


「……くっ……動きが……遅い……!」


「うぅ……視界が、ぼやける……」


レイラも膝をつき、呼吸が浅くなる。


そしてアザリエルの瞳がゆっくりと古代の壁画へと向けられた。


「ここか……ここに繋がっていたのだな。“古代の門”よ」


彼が両手を天へと掲げた瞬間


廃駅の天井が震え始めた。そこに刻まれていた古代の紋様が、光を放つ。


「《アビスゲート》……開け、深淵の門よ」


アザリエルの声が重なり、詠唱が闇を裂く。


「闇より生まれし深淵の門よ。時空を裂き、すべてを呑み込め──《アビスゲート》!!」


ビキビキビキッ!!!


空間が裂け、漆黒の裂け目が空中に現れる。

そこから、異次元の風と重力が吹き出し、レイラの身体がふわりと浮き上がる。


ゴオォォオオン!!ゴオォォオオン!!


「……いや……いやっ、引っ張られる!!」


「レイラッ!!!」


アイゼンハワードが駆け寄り、寸前のところで彼女の手を掴んだ。

だが引力は凄まじく、二人とも今にも呑み込まれそうになる。


「このままでは……まずいッ!!」


その隙を突いて、背後ではDr.ノアが逃げ出していた。

彼の鎖に繋がれていたジェームズ博士も引きずられるようにして連れ去られていく。


「……フフ……計画は、まだ始まったばかりですよ、アイゼンハワード君……」


そして、アザリエルの背後に広がる深淵の門が、ゆっくりと開き始めようとしていた。



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