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第十四話 恨みつらみ

幽霊船アーケロンの船内にて。


蒼い霧が揺れる船内、勇者アルベルトと海賊戦士エリックは、無数の骸骨兵スカル部隊をなぎ倒しながら船長室の前までたどり着いた。


「ここにボスがいるなぁ。どんな奴なんだ?」

アルベルトが剣の柄を握りしめながら呟く。


「アーケロンってのは、うちの母ちゃんが若いときにぶっ倒した海賊らしいっすよ」

とエリックが軽く答える。


「じゃあお前の母ちゃんの息子であるお前に、恨みありそうだな?」


「たぶん、あると思います。まぁ、また倒せばいいんじゃないっすかねぇ」

エリックはどこ吹く風、まるで散歩に来たような顔。


二人が重厚な扉を押し開けると、薄暗い部屋の奥、骸骨の装束に身を包み、背中に黒いマントをたなびかせた男が立っていた。


「フフフ……待ちかねたぞ、グレイスの息子よ……!」


不死王【リッチロード】が姿を現す。


挿絵(By みてみん)


名前:アーケロン(リッチ ロード)

体力:4444

攻撃:888

防御:555

素早さ:666


固有スキル 自動再生 死者(状態異常スキル無効)


この世界で、若いときのグレイス・オマリーに敗れ、魔王に魂を売った海賊。半不死の身体を与えられる。


「母ちゃんのこと知ってんの?」

エリックが斧を肩に担ぎながら聞く。


「知っているとも!ワシの魂に刻まれておる……グレイス……貴様が奪ったあの輝く財宝!あれはワシが孫のために用意した骸骨式貯金箱じゃったんだぞ!」


「うわ、めっちゃ細かい怨みだ……」

アルベルトが小声で突っ込む。


「貴様の母はワシの3番目の妻じゃ……あの日からワシの人生は転がり落ちた……いや、死んでからも!転がり続けておるのじゃああああああ!」


「めっちゃ根に持ってる!?」


「しかも、グレイスのやつ、ワシの骨のコレクションを“キモい”の一言で捨ておった!あんなに集めたのに!!うぉぉぉ!!」

リッチロードは頭を抱えて悶絶している。これはもはや失恋おじさん。


「……もう一回、ぶっ倒しときます?」


「うん、そうしよう」


その時、リッチロードがカギ爪を広げ、咆哮と共に突っ込んでくる。


「グレイスの息子よ……そして名も知らぬ勇者よ……その肉と骨、半不死身であるワシの呪いのエネルギーに変えてくれよう!」


戦闘が始まった。


___________________________


その頃、リスクとシスターマリアは宝箱をほぼあさりつくして、船長室へと向かっていた。


「リスクさんには聖水をかけておきますね。」


リスクはシスターマリアに頭から聖水をかけられた。


「うゎあー冷たい、なにし....有難うシスターマリア」


「これで、弱いリスクさんも死霊系のモンスターが近づきにくくなります。」


といって俺に聖水を5個もプレゼントしてくれた。優しすぎる天使だ。


俺は肩から下げている道具バックを確認してみる。


薬草 10個

毒消し草 5個

聖水 5個

笑わし草 5個


そして、考えた。呪いの盾を有効に戦闘をする方法を、もしかしてこれなら逝けるかもしれない?

勇者アルベルトと海賊戦士エリックがボス戦に突入する中、走りながら俺は考えていた。

挿絵(By みてみん)


アーケロンと結婚していたころの若き日の女海賊グレイス・オマリーの写真

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