表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ランキング12位達成】 累計58万PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
第二章 海への冒険

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/1411

第十三話 呪われし盾 幽霊船の船内にて

幽霊船・船倉、静まり返る霧の中。


片手の斧を構えたエリックが、スカルクラッシャーの頭蓋骨をぶち割る。


「邪魔だてすんなら、全部まとめて粉砕してやる!! 斧旋海牙ふせんかいが!!」


回転する斧がうねるような海の渦を生み、骸骨たちを巻き込み次々に砕いていく。


「いいねぇ! 骨の手応えが軽くてクセになりそうだぜ!」

「もう少し派手に散ってくれよ、スカッとすんだろッ!!」


勇者アルベルトも前線で剣を光らせる。

「ホーリー・スラッシュ!」

一閃、聖なる光がスカルハンターを両断する。


「いいねぇ いいねぇ どんどん進もう!!」


勇者アルベルトと海賊戦士エリックはどんどん船内の亡霊骸骨のモンスターを粉砕して進んでいった。


シスターマリアと俺を置いて行って、というか忘れてるよね。


その頃、俺とシスターマリアは、こっそり船倉で物資補給係中。

主に宝箱漁り担当である。


「いやぁ、懐かしいなあこの感じ。盗賊団のアジトの洞窟以来だよな……こういう任務。」


そしてついに――

俺は、ひときわ不穏なオーラを放つ漆黒の盾を発見した。



挿絵(By みてみん)


【破滅の盾】

太古の戦争で敗れた黒騎士が、魂ごと封じ込められたと伝えられる漆黒の盾。


触れた瞬間、ぞわりと肌を這うような気配が俺を包む。


「リスクさん、それ……明らかにヤバそうです!呪われてませんか!?装備しちゃダメですって!」


「まぁ、ものは試しっていうし、装備してみます。」


俺はガシャンと破滅の盾を装備。



【リスクの防御が0から−100へ低下しました】


「ぎぁああああああ……ッ!!」

「ちょっ、痛い痛い痛い!魂がえぐられるみたいな感覚なんですけどッ!!」


その瞬間――


ゼロの能力者スキル、発動!

俺の身体が銀色のオーラをまとい、全身が硬質 な光で覆われていく。

《Aegis Absoluteアイギス・アブソリュート》――絶対防御の盾


「リスクさん、顔が……顔色が……ゾンビみたいに青白いです……!」


「シスターマリア、ちょっと俺のステータスを確認してください!!」


シスターマリアが祈りを捧げるように詠唱する。


「聖なる光がリスクを記すステータス!」


空中に、俺の現在のステータスが浮かび上がった。


―――――――――

名前:リスク(村人)

呪い:1歩歩くと体力が-5(←なにこれ!!?)

レベル:23

体力:23

攻撃:0

防御:+900(アイギス・アブソリュート効果中)

素早さ:0

魔力:0

賢さ:210

運:225

※この世界で、最も弱いスライムに負けた男。

称号:必殺の仕事人 リスク

―――――――――


「……え?1歩で体力マイナス5?」

「……ということは?」

「5歩歩くと……」


「リスクさん、死にます!!」


「ぎゃあああああああああああああああッ!!!人生にバッドステータスってあるんですね!?やべぇえ!!!

うごけねぇええええええ!!!」


シスターマリアが、聖なる魔法を唱える。


「聖なる光が呪物の束縛を解き放つ――《ホーリー・リリース》!!」


清らかな光がリスクの身体を包み込み、盾が自動的に外れ、闇の呪縛が煙のように霧散した。


「うあああ……あ、生き返った……オレの顔に、ちゃんと血の気が戻ってる……ッ!」


再度、変更されたステータスが浮かび上がる。


―――――――――

名前:リスク(村人)

レベル:23

体力:23

攻撃:0

防御:0

素早さ:0

魔力:0

賢さ:210

運:225

※この世界で、最も弱いスライムに負けた男。

称号:必殺の仕事人 リスク

―――――――――


「なるほどな……破滅の盾でアイギス・アブソリュートの発動するけど装備を外すと0に戻るのか……」


「ゼロの能力者の力があってもリスクさん、呪いで死にますからね!?普通に!」


「まあ緊急時の一発逆転用だな。命と引き換えに絶対防御を出すって、なんかロマンあるかも」


「ロマンより命を大事にしてください!」


「グォオオオオォォ……!!」


おぞましい咆哮が、幽霊船の奥で声を上げた。


リスクたちは、この先で絶望的な戦いが始まっていること、また待っていることをまだ知らなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ