第十二話 戦力外通告
目の前に現れたのは、白骨の亡霊モンスターの軍団だった。
スカルハンター スカルクラッシャー スカルソルジャーたち海と霧に包まれた幽霊船の甲板で、静かなる死者との激突が始まった!
名前:スカルハンター
体力:1000
攻撃:480
防御:0
素早さ:250 固有スキル 死者(状態異常スキル不可)
この世界で、骸骨より産まれし死者のモンスターもっている弓で冒険者を襲う
名前:スカルクラッシャー
体力:1200
攻撃:520
防御:0
素早さ:150 固有スキル 死者(状態異常スキル不可)
この世界で、骸骨より産まれし死者のモンスターもっている斧で冒険者を襲う
名前:スカルソルジャー
体力:1100
攻撃:490
防御:0
素早さ:200 固有スキル 死者(状態異常スキル不可)
この世界で、骸骨より産まれし死者のモンスターもっている両ナイフで冒険者を襲う
スカルハンター(弓)
「カシャカシャ…キイ…」
霧の中から不気味に矢を番える。
スカルクラッシャー(斧)
「ドガッ…ギギ…」
肩幅の広い骸骨が、巨大な斧を引きずって現れる。
スカルソルジャー(両手ナイフ)
「シャシャッ…ガシャン…」
素早く間合いを詰め、カチャカチャとナイフを鳴らす。
「おいおい、骸骨の見本市かよ…面白ぇ!」
エリックが片手斧をくるくると回転させながら、風を切って前へ!
「逃げんなよ、追ってでも仕留めてやる! 斧旋海牙ァアアア!!」
斧が空を切ると、海面から霧が舞い上がり、
旋回する斧が水の渦を生み出す――!
ドゴォン!!
「この海じゃ、俺の斧からは逃げられねぇんだよ!」
斧がスカルソルジャーの頭蓋を真正面から撃ち抜く!
ガシャァアアン!!
「いいねぇ! 骸骨は軽くて飛びがいいっす!」
スカルソルジャーの頭部が吹き飛び、
骨の破片が霧の中にバラバラと弾ける!
その隙に、俺は、そっと背後に回り込む。
「空気のような存在(※ボス戦では無効)」を使って、
音もなくスカルハンターの背後へ……
「チクチクチクッ!」
毒針を突き立てると――
「……あーっ 気持ちいい」
「!? え、今…なんか変な声出たぞ…!?」
慌ててもう一発!
「チクチクチクッ!」
「……あーっ 気持ちいいぃ…」
「やっぱりだ!完全に悦んでるじゃん!?」
背後で冷たい声が響く。
「リスクさん。死霊系モンスターには状態異常の毒は効きません。気持ちよくなるだけです。毒針は無駄です。……私の後ろに隠れていてください。」
シュンとなって、俺はマリアの背後に回る。
俺の小さな男のプライドが砕けた。
聖なる光が、マリアの手のひらに集まり始めた。
聖なる光により彼女の黒髪がまるで金色の髪のように風に揺れ、
清らかな声が霧の中に響き渡る。
「主の御名において裁きを――神よ、偽りの魂に鉄槌を!
《神聖なる審判――セイクリッド・ジャッジメント》!!」
天空が割れ、天より降り注ぐ巨大な光の十字架が
ドォォオオオン!!!!!
光が骸骨たちを貫き、爆発するように弾ける!
スカルクラッシャー(斧)が一瞬、え、マジで?という顔(の骨)をしたが、そのままバラバラと霧の彼方へ。スカルハンター(弓)が一瞬、眩しいぃぃ?という顔(の骨)をしたが、そのまま光のかなたへと消え去った。
巨大な光の十字架が天から降り注ぎ、二人の骸骨を貫い爆発て大爆発。
悪しき魂は跡形もなく消し去られた。
(わぁあ!凄いシスターマリア大活躍。リスクは戦力外通告です。)
俺はシスターマリアの背中から、その様子を見ていた。