エピローグ それぞれの日常と運命の再起動
ゼロの能力者リディオ・ゼロから世界を終焉から救った闘いから、数日が過ぎた。ゼロ部隊の暴走は収束し、リーディオ・ゼロは魔界法廷によって正式に拘束された。
その表情は、あの狂気に染まったときとは違い、どこか静かな憂いを帯びていた。
「私は……生まれ変わって、もう一度、生きてみます」
その言葉に頷いたのは、黒き魔界貴族アイゼンハワードだった。
「罪は償うもの。私はその道を、君に歩ませる」
リーディオ・ゼロは、賢者サーテンリ殺しやその他の罪で懲役30年の判決と服役後に、アイゼンハワードの監督のもとで保護観察処分となり、かつて壊したものを修復する“生き直し”の道を歩むことになった。
そして、かつてのゼロ部隊。
その指揮権は、姐御、さっちゃんへと戻った。
「はいはい、みんな整列~! 今から再教育プログラム始めるから覚悟しなッ!」
彼女の喝が響くたびに、地上全土と魔界全土が引き締まるという噂もある。
ゼロ部隊は半数が脱退し、平穏な日常へと戻っていったが
残った者たちは、自らの罪と向き合い、魔界の秩序を守る精鋭部隊として再出発を決めた。
そして、仲間たちもそれぞれの道へ。
■ ダイ・マオウ(任侠大好き熱血ヤロウ)
正式に“次代の魔王”に就任。だが、従来の支配型魔王ではなく、「守る魔王」としての道を選んだ。
「俺が魔界の皆を守る。任侠の道、ここに誓うぜ!」
彼の治世は混乱期の魔界に光をもたらし、“義と破壊”のバランスを持つ新時代の象徴となった。
■ ナンバ・ラッカ(爆裂錬金術師)
「爆発最高ォォォ!!」と叫びつつ、独立錬金術研究所を設立。
新しい爆裂エネルギーの開発とともに、戦争ではなく“生活を豊かにする爆発”の研究を始めた。
■ ユキネ(氷の剣士)
静かに世界へと旅へ出る。
「剣は、人を斬るものじゃない。守るためのものだ」
かつての戦いの中で得た答えを胸に、剣を交えない戦いの意味を探すための旅を始めた。
■ ウルウル(狼娘ギャル)
魔界の子供たちの保育園の世話係に転身。
「ワンワン!おねーさんが絵本読んだげるワン!」
その愛らしい姿と圧倒的なフィジカルで、魔界保育界に新たな旋風を巻き起こす。
■ トランスジェンダー(回復系マッチョ大天使)
今では「癒しの筋肉」として、魔界のフィットネス&ヒーリングセンターを運営。
「筋肉は全てを癒す! さぁ、筋肉を信じるのです!」
彼(彼女?)はどんな傷ついた魂もハグとプロテインで救う“奇跡の存在”となった。
■ リーリア(風の魔術師)
かつての師・サーテンリの遺志を継ぎ、新たな風の魔法の研究に没頭。
魔法学院で教鞭をとり、未来の魔術師育成にも尽力する。
■ ダルツライ(寝袋スナイパー)
任務を終え、静かな山中での隠居生活へ。
「戦いなんてもう……寝たい」
しかし、緊急時には必ず現れるという都市伝説が残る。
■ シャルボニエ(竜騎士姫)
ドラゴ王国に帰還し、竜騎士団長として軍を再編。
「今度こそ、民草を守るために剣を振るうわ」
闘いの果てに見た“絆”の力を、国の未来へと注ぎ込む。
■ 風子(セクシー忍者)
正体不明のまま、姿を消す。
が、密かに各国を巡り、裏の情報網を通じて地上と魔界の平和を陰ながら支えているという。
■ ダイソン・サイクロン(数式の天才)
異次元研究所を設立。魔法と科学を融合させた理論体系を編み出す。
「次は、宇宙の法則を書き換えるサイクロンよ!」
彼の研究は、世界を根底から揺るがす可能性を秘めている。
そして。
地上と魔界は少しずつ、平穏を取り戻し始めていた。
けれども、それは“終わり”ではない。
それぞれの再起動、運命の歯車は、また新たに動き始めていた。
勇者達の子孫によって未来はきっと輝かしいものとなると
『魔王と勇者の継承者ダイ・マオウの大冒険』
【完結】
忘れていませんか!私の事!!
■ オーヤン・シャオシャオ(小小)
(伝説の歌姫オーシャン・フェーフェーの子孫/ロックと魔導音律の継承者)
大戦の後、小小は姿を消した。
だが、それは敗北でも、引退でもなかった。
それは、新たなる音の旅路の始まりだった。
《魔界音楽ツアー2025 “Sing for the Souls”》
彼女はロックと魔法を融合させた“魔導音律ライブ”を復活させ、傷ついた世界に“音の癒し”を届ける活動を始めた。
戦場でステータスを上げるように
今は、ステージで人々の心を上げるのだ。
そのライブの最中には、時折こうつぶやく。
「戦いは終わっても、魂は生き続ける。
だから私は歌うの伝説の音痴!オーヤン フェーフェーのように」
魔界中の若者たちはその旋律に魅了され、
“音の魔導師”として伝説となった。
さらに、彼女の歌は魔導研究者・ダイソン・サイクロンとも共同で研究され、「波動魔導療法」という新ジャンルを確立。音で癒す、音で戦う、音でつなぐ時代の先駆けとなっていく。
そして今日もどこかで、彼女のマイクは空を切る。
「魔界も、地上も、魂に国境はない!ロックは、生きている!ロックは不滅だ!」
その声は、風のように、希望のように、響き渡る。
(好きなエンディング曲が流れる。)
おわり




