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【ランキング12位達成】 累計57万5千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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第15話 ゼロの記憶、そして希望の継承

リーディオゼロのゼロの法則が《禁呪・魔鎖封陣(グリモワール・オブ》により解除された。

それと同時に軍服のステータスマイナスの術式も魔法封印される。


挿絵(By みてみん)


―――――――――


名前:リーディオ ゼロ


レベル:90

体力:999

攻撃: 0+950(エクスカリバー効果中)

防御: 0+5000(防御アップシート 10秒間)

素早さ:0+950(ライトスピード・エグゼキューション効果中)

魔力:1200

賢さ:865

運:455


この世界でゼロの能力者とゼロの法則を継承した。唯一無二の世界最強の男。

固有スキル

・ゼロの能力者(マイナスのステータス効果を受けると1000をマイナスした数値が付加される。)


―――――――――



魔法陣が消え、戦場に静寂が戻る――

それは、嵐の中心にしか存在しえない、張りつめた緊張だった。


ズズ……ッ


崩れ落ちるように膝をつくリーディオ・ゼロ。


その全身は蒼白い光を纏ったまま、ゆらりと立ち尽くしていた。


「な……なぜ、私の力が……」

「ゼロの法則が始まらない……軍服の魔導術式もロックされている。……!!」


ゼロの法則が完全に止まり、軍服の魔導術式も封印された。

ダイ・マオウがゆっくりと歩み寄り、拳を握りしめる。

10秒が経った、防御力が初期値の0(ゼロ)へと戻る。


「これで……終わりだ」


仲間たちは息を呑んだ。


この一撃で、全てが終わる。


いや、終わらせなければならない。


「ゼロの力を解き放ったお前は、もう戻れない……!」


拳が光を帯び、終焉の一撃が振り下ろされようとした。


その瞬間、


「ストォォップ!!ちょっとまったーあっと!」


重厚な声が戦場を裂いた。


割って入ったのは、黒き貴族アイゼンハワード・ヴァル・デ・シュトラウス。


「すまないねぇ、ダイ・マオウ君」


その手には、年季の入った一通の手紙。


「実はリスク君から……私宛にもう一通、手紙があってね」


ダイ・マオウの拳が震える。


「……なんだと?」


アイゼンハワードはため息まじりに続けた。


「もしゼロの能力者が……俺の子孫だったら」


仲間たちの目が大きく見開かれる。


「……殺さないで、罪を償うように。君の手で“処刑”を止めてもらえないかって、頼まれてたんだよ」


「……!」


「彼はね、心配性で、いろんなケースを想定して手紙を残していた。まったく……心配性で迷惑な奴で困ったやつさ」


アイゼンハワードの口元に、僅かな微笑。


だがその瞳は、静かな決意と、哀しみを湛えていた。


「だから……頼む、ダイ・マオウ。これ以上は“殺し合い”じゃない。命を繋ぐための、“継承”にしようじゃないか」


全ての視線が、ダイ・マオウに集まった。


拳はまだ震えていた。


だがその表情は、ゆっくりと、怒りから慈悲へと変わっていく。


「チッ……リスクさん、あいつ、ほんと厄介なことばっか残してくな」


その手が下りる。


リーディオ・ゼロの頭上すれすれで止まった拳。


「……お前は、まだ生きろ。償うんだ。自分の罪も、力も、過去も……全部だ」


リーディオは、初めて“人”のような目をした。


「俺は……まだ生き続けるのか」


その声は、かすれていた。


こうして、最狂の敵との戦いは、意外な形で幕を下ろした。


だが、物語はまだ終わらない。


ゼロの力、そしてリスクが遺した“継承”の意味

その答えを求めて、彼らは次なる階層へと進んでいく。



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