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【ランキング12位達成】 累計57万5千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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第8話 魔界の貴族、伝説級の魔獣になる

闇が激しく揺れ、虚無の城・第四層《零の墓場》に、死の残像が見え隠れする。


バトルの緊張は、すでに限界を超えていた。

だが、その“最終的な変身”があった。


アイゼンハワード・ヴァル・デ・シュトラウス。

魔界の貴族。魔王軍最強にして、恐れられし冷酷な司令官。


その男が、不敵な笑みを浮かべながら、静かに告げた。


「……この姿になると、私は魔獣となり理性がなくなる。よって、お前たち全員が死ぬまで、私は襲い続けるだろう」


「アル隊長……!? が変身されるぞ!逃げろ!!」

驚愕の声を上げるのは、かつて彼の部下だった者たち。


だが、彼はすでに人の理を棄てていた。


黒いマントが風に舞う。

異様な重圧が空間を押し潰し、虚無の大地さえ軋む。


アイゼンハワードは、両手を掲げ、低く、荘厳な詠唱を口にする。


「目覚めよ、古き獣よ……闇よ、我が肉体を喰らい尽くせ。」


「王の血よ、魔獣の骨よ!真の姿へと具現せよ……」


「《魔獣 ライカントロス》ッ!!」


ズギャァァァァン!!!


漆黒の稲妻が天を裂き、雷鳴がアイゼンハワードの肉体を直撃する。


その姿が変貌していく。


優雅な衣を破り、皮膚が裂け、骨が変形し、毛皮が盛り上がり、全身が獣そのものへと再構成される。


咆哮が響いた瞬間


地獄の門が開いた。


黒き魔獣ライカントロス


全長三メートルを超す、その威容。

雷鳴を宿す牙、鋼鉄すら砕く漆黒の爪。

闇と雷をまとい、魔王をも殺せると言われた“神殺しの魔獣”が、ついに現界した。


「ッ……これは……もう、人じゃない……天災級の魔物!」

リーリアの声が震え、風が彼女のマントを揺らす。


「ダイマオウ!」

ナンバ・ラッカが叫ぶ。「こいつ……マジでヤベェ!」


だが負けられない。


「来いよ……アイゼンハワード! 相手してやるぜ」

ダイマオウが、念道力を全身に集中させたその時


「《ベヒモス・コード 第八式──サラマンダー顕現けんげん》!!!」



挿絵(By みてみん)


ゴオォォオオオッ!!

ゴオォォオオオッ!!


アイゼンハワードが魔獣サラマンダーへと変身した。

全身から吹き出る灼熱の炎。


その時


背後に、シャルボニエの槍に紅蓮の炎が宿る!


「こっちだよ……神殺し!」


魔獣サラマンダーの爪が大地を裂き、空を喰らう。

しかしその前に、竜槍グランクレールの炎が、希望となって、閃いた!



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