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【ランキング12位達成】 累計58万6千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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第4話 傭兵くノ一・風子、現る!《風邪とセクシーは紙一重》

その日、夕暮れの風がやけに温く、廃都市リム=ヴァンの路地は静寂に包まれていた。

ダイ・マオウと仲間たちは、次なる敵の情報を整理しようと一息ついていた……

そのとき。


「ぽんっ♡」


謎の煙玉が突然足元で弾け、視界を覆う。


「ひゃっ!? 爆発か!? ラッカのか!?」

「いやちゃう! 俺の火薬ちゃう! 匂いが……なんか甘いぞ!?」


煙の中から、ぬっと現れたシルエット。


くるんとターンし、ポーズを決める。


「風のように現れ、風邪をひいて去る!

セクシー忍者、風子! ただいま参上♡」


名前:風子


挿絵(By みてみん)


種族:くノ一(自称・傭兵)

【性格】セクシー全振り。行動は自由、口は軽やか、服は軽装。

【口癖】「セクシーは世界を救う♡」


リーリア(呆れ)「……誰?」


ダイ「なんか、風邪ひいてる?」


風子は両手を腰にあて、どや顔で前に出る。


「ちょっとちょっと〜、その態度なに? ダイ・マオウ様!

私を、雇った方が……絶対チョーお・と・く♡なのに!」


営業、開始!


風子「わたし、仕事早いです! 雇用契約書は印鑑押すだけ!情報収集・潜入・色仕掛け・夜勤可! ボーナスいりません♡」


ラッカ「ボーナスいらんのは分かったけど、色仕掛け強調しすぎやろ!」


風子「でも一番得意なんだもん♡ さあ、実演しましょうかぁ〜♪」


風子、くるりと一回転し、妖艶なポーズをとった。


「セクシー忍法・桃源誘惑の舞っ♡!」


ぽんっ!

忍法スモーク弾が弾ける!


次の瞬間、風子が10人に増えた!

それぞれがウインクしながら甘い言葉を囁く!


1人目「この契約書……あなたの名前、書いて♡」

2人目「私、ボーナスいらないの♡」

3人目「健康診断、毎年いらないの♡」

4人目「社保完備じゃなくてもいいの♡」

5人目「昼寝つきオフィスで十分♡」

6人目「ダイ様、こっち見て〜♡」

7人目「福利厚生はいらないよぉ~♡」

8人目「足を高く上げますね♡」

9人目「交通費込みしておきますから♡」

10人目「いつ私と結ばれますか♡」



リーリア「バカが10人に増えても、賢さは増えません……」


ラッカ「いや、これ実戦で使えるか? 敵が笑って死ぬぐらいちゃうか?」


ダルツライ(寝袋の中から)「うるさい……お得アピールで耳が死ぬ……」



風子 (ふたたびセクシーポーズ)

「どう? ね? 私、便利でしょ? 色仕掛けも炸裂でしょ?」


ダイ「で、お前……戦えるの?」


風子「ふっふっふ……見くびらないで♡」


◆風子の必殺奥義(?)

「“セクシー分身爆弾・フィナーレキッス”♡!」


風子の分身の全員が一斉に投げキッス。

その瞬間、分身が爆散(小規模)!


ドゴン!ドゴン!ドゴン!


煙に包まれる仲間たち。


ラッカ「ちょ!? 分身爆発すんのかい!! 火薬使っとるやろ!」


リーリア「何のための分身なのか、本気でわからない」


ダルツライ「……もう誰か、解雇して」


煙が晴れ、咳き込む風子。


「けほっ……へっくしょん!!※ ※

ああ、風のように現れたら……風邪ひいちゃった……♡」


「またご連絡くださ〜い♡風のように働き……風邪ひいて休むのが、私の信条♡」

くしゃみ一発、忍法スモークで姿をくらませた。


ラッカ「いや働いてへんがな!!」

リーリア「“営業迷惑忍法”……そんな分類があるのね」

ダルツライ「……この世界は、今日もくだらない……」


ダイ(小声)「……ちょっと嫌いじゃない」


風子は風のように現れ名刺を置いて風邪を引いて去っていった。



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