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【ランキング12位達成】 累計57万5千PV 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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第2話 ダイ・マオウの実力『目からビームに意味はない』

草原は、風が気持ちよく吹いていた。


「ふぅ、今日こそは静かに旅ができそ……」


ドドォン!!


突如、大地が揺れ、目の前の丘がモコモコと盛り上がる。

次の瞬間、ゼリーのようにぷるんぷるんと揺れながら、王冠のついてる巨大な青いスライムが現れた。


挿絵(By みてみん)


「……キングな、スライム?」

リーリアが眉をひそめた。


その大きさ、実に小山サイズ。

下手に攻撃すると、飲み込まれて酸で溶けそうなビジュアルである。


だが。


「おおおおおぅしッ! やったるかいコラ~~ッ!!」

ダイ・マオウ、突然シャツを脱ぎ始める。


「ちょ、ちょっとダイ!? 脱ぐ意味ある!?」


「あるッ! 心の準備やッ!!」


謎の関西弁とともに、ダイは全力でスライムを殴った。


ぷるん。


「効いてねぇぇぇぇぇぇぇ!!」


おまけに蹴る。


ぷるんっ。


「効いてねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


「ダイ! スライムに打撃は効かないってば! 魔法か炎じゃないと!」


リーリアがツッコミを入れながら呪文を詠唱しようとしたそのとき。

ダイが突如、静かになった。


そして、無言でリーリアを見たまま、テレパシーを送ってくる。


《たま、とってやる……》


「なにが!?!? なにの!?」


直後


ダイ、目から謎のビームを発射。


ピカーッ!


ズギュゥゥゥゥゥン!!


草原に、意味不明な焦げ跡が残っただけだった。


「……ビーム、意味なくない!?」

リーリアのツッコミが風に虚しく響く。


が、ダイは真顔だった。


「いや、これは“気合い入れ”や」


「それ任侠映画の“目つき”の話でしょ!!」


すると今度は、ダイがどこからともなく二丁拳銃を取り出す。

(どこに隠してた)


「……オレはな、“魔王”やない。“修羅”や」


「だーかーらー!! そのセリフどこから拾ってきたのよ!!」


ドガガガガガガガガガッ!!


狂ったように銃を撃ちまくるダイ。

スライムは「プルプルッ!?」と音を出しながら、穴だらけになって地面に沈んでいく。


最終的に、スライムは「ごぷぅ」と泡を吐いて消滅した。


「……やった、倒した」

リーリアはため息。


「ふっ、名乗るほどの者でもないが……」

と、決めポーズで振り向くダイ。


「名乗ってないじゃん!!!」


草原に沈む夕陽。

風に舞う二丁拳銃の薬莢。


リーリアは思った。

(この先の旅、絶対に平穏じゃない……)


だが、なぜか笑っていた。

(なんで任侠ぽいのこいつ。)


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