表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【45万2千PV突破 ! 全話 完結】運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『1回の成功と999回の大失敗すれば成功やないの! 』〜ドジっ子双子天使と爆発ツッコミ錬金術師のポジティブ錬金ラボ〜
296/1101

第4話 休日と森のくまさん

今日は、待ちに待った週に一度の休日!


「やったー! ついに実験ない日だぁ!」

「今日は絶対転ばないって決めたのに〜……あっ、転んだ……」


というわけで、爆発、錬金ラボを離れ、3人は森の中へピクニックにやって来ていた。


「なあなあ! 今日はバーベキューやるでぇー!」


「うわぁ~、外でごはんなんて久しぶりっ!」

「でも食材、どこで調達するんですか……?」


「決まっとる! 現地調達や!」


「えっ……まさかこの森で――!?」


薪を拾い、火起こしして、川で小魚ゲット。

山菜、キノコ(毒じゃない)を見分けながら、順調に進むバーベキュープロジェクト。


「やればできるじゃん、私たち……!」


「……今日は爆発ないかも……!」


そのときだった。


――ガサ……ガサガサ……


森の奥から現れたのは……巨大な影!


挿絵(By みてみん)


ガオオオオオゥ!!


「……く、熊だ……!」


バイシャルが震えながら指差す。

そこには立派な毛並みと筋肉を持つ、森の主級・熊さんが!


「ぎゃああああああああ!!!」

「ある日森の中熊さんに出会ったぁ~~じゃないってばあああああ!!」


「ちょ、逃げろっ!! 食べられるぅう!!」


だがそのとき、ナンバ・カゲツが冷静に鞄からキラキラした試薬の小瓶を取り出した。


「まかせとき。ウチには“クマ専用可愛くする薬(失敗作Ver.)”がある。」


「失敗作ぅ!? いやいやいやいや何それぇぇ!!?」


それを熊の鼻先にポイッ!


——ポフンッ!!


挿絵(By みてみん)


モヤが熊に包み込まれ……

次の瞬間、熊がちょっとチワワみたいな顔になった。


「なにこれ!?」

「目がクリクリで、ちょっと内股になってる!?」


「鳴き声が“ふぇぇ……”やんけ……!!」


結果。


熊さんは襲ってくるどころか、

小魚を運んできてくれたり、木の実を分けてくれたり、

丸太を持ってきてくれて、バーベキュー台の土台まで組んでくれた。


「めっちゃ働くやん熊さん!!」


「なんならセクシャルより気がきくかも……」


「うわーん! わたしだって焼きナスくらい裏返せるもんっ!!」


その日、森の中には、肉の焼ける音と、

クリクリお目めの熊さんと笑い声があふれていた。


カゲツは言った。


「人生とはな、偶然の連続や。つまり、熊とバーベキューするのも当然や!」


「意味わかんないけど……いい一日だったね……!」


「うん……パンツ見えなかったし!」


「それ今いる!?」


夕暮れ、熊さんに手を振って別れる頃。

セクシャルがこっそり耳打ちした。


「……あの熊さん、連れて帰っちゃダメかな?」


「だーめ!!!」


ガオオオオオゥ!!


薬がきれて、元の凶暴な森の熊さんに戻っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ